第13話 事案発生!?

 こんな感じで俺たちの関係は続いた。この関係は二人を大きく変えた。まず、学校内で二人が言い争うことは無くなった。


 その代わりに


「くんくんくん」

「すうーはあー」

「……(なでなで)」


 お互い別行動ではあるが、学校が終われば、各々、時間差を置いて俺の家に集合し、甘い時間を共に過ごす。もちろん、俺たち三人がこんなことをしているということは他言無用で野原にさえ言ってない。言ったら絶対ろくなことが起きないと思うので、この二人は俺が独占中である。


 独占……


 そんなちゃちな優越感を覚えつつも、自分を戒めることは決して忘れない。


 これは決していかがわしい行為ではないのだ。ただ単に匂いを嗅ぐだけの行為。


 いつまでこんな甘々な時間が続くのかな。ふと、そんな不安な気持ちが脳裏をよぎる頃に事件が起きた。


「すうーはあーすうーはあー倫太郎……」

「くんくんくん……倫太郎くん……」

「今日もお疲れ様。力抜いてもいいから楽にして」

「うん……今日のテスト朝比奈さんにまた負けたけど、大丈夫だよね?」

「もちろんだ。有紗が一位になっても二位になっても三位になっても、有紗はかわいい」

「ん……ますます女たらしになっていく気がするけど……まあ、いいわ」

「おい、褒めてんのになんなんだよ(なでなで)」

「倫太郎くん……私また一位だよ!褒めて!」

「よちよち、真礼はすごいね。でも、あまり無理しないようにな」

「もし、無理して体壊したら、倫太郎くんどうするの?」

「もっと甘やかす……」

「倫太郎くん……くんくんくんくん!」

「お、おい!あまり力入れんな!(なでなで)」


 今日も今日とてすうーはあーくんかくんかタイムを満喫する俺たちだったが、突然玄関のチャイムが鳴る。


「ん?お父さんとお母さんは今日も帰り遅いって言ってたのに……宅配か?」

「……」

「……」


 不安がる二人の頭を撫でてから俺は立ち上がる。


「ちょっと行ってくる」


 と言ってから俺は足早に玄関へと歩いた。


 そしてドアを開くと、








「古澤くんなのよね?」


 金髪の美人と黒いスーツ姿の男性達が俺に笑顔を向けていた。だが、口は笑っているけど、目がマジだ。


 金髪……メリハリのある体つき……まさか……


「ど、どなた様で?」

「中に真礼いるでしょ?」

「ん!」

「最近、あの子、ずっと帰りが遅くて、心配になって後をつけてみたら、ここに入る姿が見えてね、ふふ」

「……」







「娘を返してちょうだい」



 




追記


 いよいよここでラスボス登場です!ここからどうなるのか気になる方は、★と♡を(ちゃっかり!)


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