第46話 四人対戦! ドンドンブラリストーリーズ!
結局、その日は四人で夕飯まで食う話になった。
集まれる場所として、カラオケへ行くことに。
さすがに
ただし、歌わずにずっとゲームしてメシになった。喫茶店より、軽くつまめるスナック類もたくさんある。
ナポリタンで腹いっぱいの
「せっかく四人集まったんだから、あれやろうぜ。ドンブラ」
「ああ、ドンブラか! やろうやろう!」
やはり、四人ともなると、にぎやかな対戦ゲームがつきものだ。
「あたしもやりたいっす、
「すみません、ドンブラってなんですか?」
唯一、衣笠先輩だけが、取り残されている。
「では実代くん、教えてやりなさい」
オレが指示を出すと、実代がコホンと咳払いをした。
「ドンブラっていうのは、『ドンドンブラリストーリーズ』が正式名称っす。おとぎ話の登場人物を模したキャラクター同士で戦う対戦格闘っす。四人対戦格闘と、陣取りゲームが組み合わさったゲームっすよ」
各陣地で対戦を行い、勝った人が陣地を取れる。ライフを手に入れると、ライフや攻撃力などのステータスがランダムで上がるのだ。
「ただし、陣地をとってもそこに封印された貧乏神が目覚める可能性があるっす! 対戦で勝ってビリになった相手に押し付けないと、自分の陣地がドンドン取られてライフが尽きるっす!」
「うわあ、大変ですね!」
「そうなんっす! なので、我々は組んで戦うっす! 操作をレクチャーするんで、安心するっす」
「お願いします、
オレが1P 、修太郎が2P、実代と先輩が組んで3P、CPUが残りを担当する。
「衣笠先輩は、ピーチ丸にするんすね?」
実代が選んだのは、なんでも体内に閉じ込めてしまうモモの怪物だ。プレイするのは衣笠先輩で、実代が後ろから教えるという。
「じゃあ、オレはオーソドックスにモモヤロウで」
剣術の達人を、オレは選ぶ。とはいえ、強い空が勝つわけではないのがこのゲームの面白さだ。
「オレは『怪盗 赤ずきん』にしよう」
修太郎がチョイスしたのは、赤い頭巾のニンジャである。
「ぎゃああ!」
開始早々、オレのキャラがピーチ丸に飲み込まれた。吐き出され、危うく場外へ落ちそうになる。ダウンはしなかったが、ダメージを負ってしまった。
「うへへー。どうしたんすか、センパイ? 足元がお留守っすよ」
「うるっせ、てめえ!」
オレのコンボが、ピーチ丸に決まる。
「あ、ああ、どうしましょう」
レバガチャで、衣笠先輩が脱出を試みるが、逃げられない。
オレの背後から、修太郎の動かす赤ずきんが武器を奪いやがった。赤ずきんは怪盗なので、アイテムを盗めるのだ。
「あーてめ! 結託しやがったな!」
「冗談! モモヤロウは強キャラだから、早めに潰すに限るだけだ!」
一時的に武器を失ったオレは、それでも徒手空拳で赤ずきんに打撃を与える。
「うわー、素手でもつええな、モモヤロウ!」
「おうよ。さすが主人公!」
「だが……うごおおい!」
思わぬ伏兵がいた。CPUだ。やたら強い。空気が読めないヤツとは、まさにこのことだ。
「誰だよ! CPUの設定、強くしたのは!」
「これが、デフォルトの強さなんだってよ」
マジかよ。忖度なしとは……。初期設定ミスってやがる。
「しかたない。CPUを結託して潰そう」
「OK。相手は機械だから、心は傷まない」
オレと修太郎二人で、CPUを蹴散らす。
「やべえ。マジで強い!」
「もう一息だ。やったぜ!」
どうにか、オレと修太郎のコンビネーションでCPUをドベにした。
「今っす!」
だが、この好機を見逃す実代ではない。
ピーチ丸の頭突きによって、衣笠・実代コンビが白星をあげる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます