第31話 サプライズ
「えっ、サプライズ、、、ですか?」
僕、藤川海(ふじかわうみ)は、突然スタッフさんに言われたことに、はてなマークを頭に浮かべていた。
僕は一か月後にとある音楽祭に出ることになっていた。
全国から多くの人々が生で見てくれるという夢のような舞台だ。
僕は急遽先日、この音楽祭に参加させていただくことになった。
「えっと、、サプライズと言うのは具体的にどういうような?」
「ハイ、まず、視聴者の皆さんをはじめとする多くの方々には、自宅からの中継と言うことになったと言います。しかし、本当は海さんはとある一室で待機していて、事前に録画した映像が流れた後、サプライズとして会場に登場するという形になります。」
言われたことに一瞬、頭が追いつかなかったが、まあ何となく何をするのかは理解することが出来た。
つまり、ファンや会場にいる皆さん、視聴者の皆さんに大規模なドッキリを仕掛けようと言うのだ。
なるほど、よくよく考えて見れば結構面白い。「O県からの中継です。」と言われていたのが、突然東京の会場にワープすることになればかなりの衝撃にはなるだろう。
「・・分かりました。ただ、少し僕からも願いが、、、」
「ん?何でしょう?」
「実は、、、、」
本番当日、僕は生で自宅から歌っているふりをして、会場にへと足を進めた。
会場からは大きなどよめきと黄色い悲鳴が飛んでいった。
僕は緊張しつつも、出来るだけいつも通りに歌った。
そして、、、、僕のサプライズはこれだけでは終わらせない。
最後の最後に、大物アーティストの方とのコラボを行うことに決定したのだ。
これを提案したのは勿論、他ならぬ僕自身だ。
僕はファンの皆さんに、もっと感動や歌の力を届けたいと思っている。
その機会が増えるのであるならば、この機を逃すわけにはいかないだろう。
僕は、今日。頑張って、皆を最後まで、歌の力で元気づけてあげたいんだ!
さあ、フィナーレが幕開ける。
僕の歌声を、今多くの人々にもっともっと、届けるんだ!
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