第18話 トースト

朝の何気ない日常が始まった。

私はいつも通り一杯の水を飲みこむと、洗濯物を片付け、数学の問題を四、五問解く。

そして、バターを付けたトーストと一杯のカフェオレ、さらにバナナとブドウパンを頬張った。

父はスマートフォンを片手に私と似たような食事をとっていた。

トーストはカリカリとした食感とバターの塩っぽさがある味わいが何とも言えなかった。

人によって差はあるとは思うが、かなりおいしいと個人的には思った。

母はいない。

母はとある仕事で海外に出張している。

祖父母は今も元気なのだろうか。もう、数年は顔を合わせていない。

だが、そんなことを考えても仕方がない。

今日も学校に行くために電車に乗らないといけないのだから。

今日も茶色の欧州風のバックを抱え、赤のネクタイとグレーのブレザー、それに青みを含んだズボンと革のベルトを巻いたり、着たりして、、最後にメモ帳をを持って出発する。

「・・・佐久郎」

父が出かける寸前の私に呟くように声を掛けた。

「・・・気を付けてな。」

「・・はい、行ってきますよお父さん。」

その一言を胸にとどめ、私は公立の中高一貫校にへと足を運んだ。


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