第14話 馬の気持ち

俺の名前はワールドフェロー。

とある茨城県美浦トレーニングセンターの競走馬だ。

俺の一日は午前四時から始まる。まず、明かりがつけられてから検温をされる。

検温が終わったら、調教と言ってトレーニングのようなことをやらされる。

それが終わったら蹄の手入れを行う。

蹄は俺たちにとって命に等しいくらいだからな、、、

その後はニンジンとか干し草とかのご飯を食べるぜ。

その後は歩き方をチェックされたり、マッサージとか俺の家(馬房)の清掃などが行われる。

そのあとはのんびりして寝るだけだ。

ただ、俺はここ最近眠れていない。

こう見えても俺は結構いい馬何だぜ?

だけど、最近はストレスのせいで何か腹が痛いんだ、、、

吐き気もするし、たまに食欲も無くなるんだ、、、

だけど、もうこんな日々にはサヨウナラだ。

何故かって?俺は次の戦い(レース)で引退なんだよ。

だから、最後くらいはカッコよくいないとな!


さあ、本番直前!もう、俺以外はゲートインが終わっているな、、、

よし!お前ら、、最後の俺の晴れ舞台を見ておけよ!

「・・・スタートしました。」

よし!このコーナーまでは予想通りだ!

「・・三コーナーを回って、、」

ここで、、、一気に!足を全力で動かす!

よし、よし、いいぞ、いい!

最高に、、


グギッ


・・へ?


「・・な、なんと!いうことでしょうか?!ワールドフェロー!故障発生でしょうか⁉大きく横にそれていきます!」

・・どうしてだ、、確かに、最後とは言った。

言ったが、、、こっちではないはずだ、、、

まだ、、レースをさせてくれ、、、俺の、、生きる意味、、が、、、

走るだけの人生、、いや、馬生に、、、

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