第18話 今はちょっぴり遅れていてもよしにしない?


息子の最近のお気に入りはだんなに買ってもらった腕時計。

『防水なんだって。お風呂に入る時も外さなくていいって、お父さんが言ってた。』

と毎回服を脱ぎながら得意げに教えてくれるのが可愛い。



しばらくすると、困った事にしょっちゅうこんな事を言い出し始めた。

『イチ君(息子)の腕時計とあの時計ずれているよね。』


5分10分ならまだしも、秒単位まで気にし始めた。


『うそ~ん。そこ?そこが気になる?』


各部屋にある時計。全部それぞれ、好き放題遅れ放題。

『えーーー。この時計は5分、あれは3分遅れてるだけじゃーん』

ずぼらなワタクシ、息子の質問に毎回華麗にスルーする。


ところがある晩、寝ていたら、怖がりな癖に、暗がりで一生懸命時計を合わせようとしている息子の姿に気づき、ワタクシとても驚いたΣ(・□・;)


さらに迷惑な事に、時々失敗して アラームが大音量で鳴り始める。

『あの~。うるさくて眠れないのですが・・・』


あまりにも息子が一生懸命で、だんだん可哀そうな事をしている気になった来た。

『気になって仕方ないの?でもお母さん眠いから明日一緒に直そうか?』

息子を納得させて、眠りについた。


次の日の朝

『秒単位まで合わせておいたよ!』

と、腕時計とぴったり一緒に合わせた事を息子と確認した。


でも、家中の時計を全~部合わせる訳がないので、子供部屋にある時計だけを気にするように息子によ~くいい聞かせた。 


でもね~


『今、昼?夕方?夜?』

と、時間の感覚がまだない息子。

さらに、この時期は、時計は読むものでなくて、カッコつけのアイテム。


時間に興味を持ったきっかけになったのはとってもありがたいけれど、

取り合えず、おやつの時間3時と寝る時間9時から覚えていこうか?


秒を気にするのは、もう少し後でもいいと思う~


ー完ー





【M93→18】

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