第6話 傘を買うタイミングはこれでOK?

天気のいい日の散歩中、うっかり何も考えず買ってしまった5歳の息子の新しい傘。

『ぼくこれスキ』

とお気に入りの色を選んで上機嫌。


でも、買った直後、ワタクシの後悔が始まった。


店の通路で、嬉しそうに何回もバサバサと開いてみたり、閉じたかと思うと前に突き出してみたりと、お母さんには見えない敵への威嚇が始まった。

息子にとって傘は「剣」や「戦いのアイテム」らしい。

どんなに広い店内でも危な~い!


息子に傘を振り回すことが危険な事を伝え、急遽買い物を切り上げ家路につくと、今度は別の問題が出てきた。


『あら?今日は今から雨なのかしら?』

すれ違う人すれ違う人に、そんな眼でみられている。


違うの~!!


やり過ごせばいいのに、ワタクシ、ついつい、通りすがりの人に聞こえるように大きめの声で言ってしまった。

『よかったねイチ(息子)君。気に入った傘が買えて。』


ふうっ。ちょっぴり罪悪感が消えた。




次からは傘は雨の日に買うべきかな?

いや、本降りの日は、傘を振り回すに決まっているから、全身ずぶ濡れになるのは目に見えている。

よし、雨が降るかどうか微妙な時に買おう。うん、それがいい!


一体いつ使うか自分でも全く分からない、まめ知識が増えた。


ー完ー


【m24→6】

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