第9話 出航

惑星TOCIで食料調達と燃料補給、休息の日を堪能していた三人。


ジャックの食料調達も完了。

燃料補給と、チャーリーの充電も完了。

フクロウのコノハもゆっくり休めたみたい。



「よしチャーリー。やり残した事とかなきゃ、出航だな!」

「はい。では出発しましょうか。」

「おいおい、カッコよく出航!で行こうぜ!」

「次の目的地は修理工場です。問題が発生しなければ半日以内に到着するでしょう。」



ナビはチャーリーに任せて、到着までは倉庫のバイクを弄るか。


あまり乗らないので、すぐに汚れなんかが溜まって始動性が悪くなったり、調子が悪くなったりする。

丁寧に整備するだけでなく、たまにそれなりな距離乗ってあげないといけない。

とにかく古い機械はちょっとでも放っておくとすぐにぐずる。

今の機械と違って、生き物というかペットみたいだ。


とりあえずキャブからガソリンを抜いて、フロートチャンバーを外す。

底に溜まった汚れを綺麗に掃除して、パッキンの確認。

後はジェット類を外して、穴が詰まらないように洗浄。


前回の清掃からかなり時間が経っているので汚れが溜まっていた。


前回整備後に乗ったのでガソリンが少量入っていた。

余り状態も良くないので、貴重なガソリンだがこれは捨てよう。


それから、ブレーキの利きなんかは良い。

バッテリー電圧も良い状態。


錆も増えている様子はなさそうだけど、サスのインナーにシリコンスプレーは吹いておこう。


このバイクの心臓部を電動システムに乗せ換えるのは簡単だけど、味気のないモーターに変えるのは設計した方に失礼だし、何より乗っていて面白くないだろう。


この楽しさをわかってほしいから、布教のため数台を良い状態のまま液体類を抜いてカプセルに入れて保管している。これで何百年たってもそのままの状態を保てる。


買ってくれるような"もの好き"は何年たっても現れないが、、、


また地球に戻った時にガラクタから使えるパーツとか、修理できる車体を探したい。

いつの日か、価格が急上昇してくれたら儲かるのに。



船を修理に預けている間、久々にバイクに乗ろうと思う。

食料と一緒に補給してきた新鮮なガソリンを使い、数日の間楽しみたい。

他の乗り物と違って、爽快感とかエンジンの鼓動感とか、感じるものが沢山ある。

高回転域まで回せばエンジン清掃にもなるしストレス解消にもなる。


整備も終わったので、ガソリンと添加剤を入れておこう。

添加剤は効果があるなし諸説あるが、これを入れておけば汚れが付きにくいらしいのと、プラシーボかもしれないが今まで大きな問題も起きていない。


まだもう少し時間があるのでお風呂に入る。

自分にとって入浴というのは一番落ち着いて物事を考えられる時間なのだ。

何も考えなくてもいいし、音もしない中で絶対に一人でいられることが確定している時間。

この時間はとても大切だ。


今日はある程度ゆっくりできた。

おいしいものも食べたし、いい一日だった。


どうやらもう少しで到着しそうだ。


つづく

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