第7話 名残惜しい

ここは惑星TOCIにある地下街の洋食店。

リヨン風ハンバーグも食べ終わり、最後の楽しみであるクリームソーダの時間だ。


「クリームソーダをお持ちしました。どうぞ。」


ハンバーグでこれだけのレベルの物を出されてしまうと期待をするなと言うのは無理だというものだ。

お楽しみのクリームソーダが不味い訳がない。


まず香りはメロンではなく、ソーダのそれだ。

クリームソーダと言うからにはメロンソーダでは不合格だ。


そしてソフトクリームを一口。

うむ、ミルク感が強いサラッとしたクリーム。

やはりこの店はわかっている。


そして氷もそれなりに入っている。


では、ソフトクリームを少し食べつつ1〜2分ほど待つ。

それからスプーンでソーダを少し回して、、、


出来た。これでソーダとクリームの混じったシャリシャリのシャーベットが出来た。


ソーダを飲みながらシャリシャリをすくって食べる。それからクリームを一口。

そしてストローで混ぜながら、またソーダを一口。

混ぜたことによってソーダにもシャーベットが混ざり、、、


こちらも無限ループである。


美味しいハンバーグを食べたあとの、完璧なバランスのクリームソーダである。

幸せな時間だ。


もう一周ハンバーグからループしたいぐらいである。


と言ってももうお腹いっぱいなのでこれ以上は食べられない。


「ごちそうさまでした!お会計お願いします。」


「定食890Gとフロート50G足して940Gになります。」


「美味しかったです。ごちそうさま〜!」


「ありがとうございました〜」


近くに住んでいたら毎日来たいと思うほどの名店だった。

この惑星近くに来た際には是非ここによる事にしよう。



という事で、地上階へ出てきた。

ここからなら帰れそうだ。


「お、おい、そこのニイチャン!?今地下から上がってこなかったか?」


「え、そうですけど、なんかあったんですか?」


「一体何しに行ってたんですかい? 地下は出るって噂で、、、それで次々店が潰れて今は一軒も店は無いから行っても無駄ですぜ?」


「え、あ、そうなのか、どうりで真っ暗で、、、」


どうやら店があることは知られてないようだ。

あれ程までに美味しい洋食店を知らないとは可哀想だな。


、、、ん?もしかして、店も幻!?


どちらにせよ迷路みたいな物だったから、二回目にたどり着けるかは不明だが、、、。



それと、残り少ないお金での食料補給は、食材を買い込んで自分で調理することにしよう。


つづく

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