第118話  4月28日 ゴールデンウィーク前日


 色々あった20日の日から8日が経った。


 今日は二人で先に帰るねと言われたので、一人でゆっくり帰っていた。


 明日からゴールデンウィーク初日、なんだか20日から今日まであっという間だった気がする。





 宣戦布告を受けたあの日から、学校が始まっても高橋くんから絡んでくることはなかった。もちろん僕の方からも絡むことなんてない。少しだけ警戒しながらも、今まで通りに凪や美月と一緒にいた。


 ちなみに、凪と美月にはしっかり謝った。

 どんな理由であれ、予定をすっぽかして帰ってしまった訳だし。


 多分聞きたいことだってあったと思う。美月とか聞きたいって顔してたし……。

 あの2人のことだから、僕が帰った理由だって大体検討付いているはず。それでも、二人は聞いては来なかった。





 もちろん美香にもお礼を言った。

 いつもなら、「ふふ、感謝するが良い」とか言ってたけど、今回は言わなかった。

 てか、最近少しだけ元気がない気がする。少しだけ心配だ。


 それと、これからどうするのかも考えた。


 考えた結果、どちらの方が好きとか、どちらかを選ぶとかそういう風なことを考えるのはやめることにした。


 僕は、後悔しない選択を選ぶことに力を注ぐことに決めたのだ。


 正直、自分勝手だと思う。


 2人を悲しませるかもしれないし、どちらか1人を悲しませ、1人を喜ばせるかもしれない。2人とも喜ばせることだってあるかもしれない。そんな大事な選択で僕は自分が後悔しないことに力を注ぐと言っているのだ。


 本当に自分勝手だと思う。


 だけど、こうしないと先には進めないと思った。





 ……と言うことで意識を変えてから6日ぐらいが経ったけど、早くも僕の中では答えが絞られて来ていた。




「最近遠く行けてないし、ゴールデンウィークにでも誘ってどっか行こうかな……」


 独り言をこぼしながら、僕は家に帰った。




 ―――――――――




 こんにちは!!凪です!

 本当はあの負けヒロインの由比○浜ちゃんみたいに、「ヤ○ハローー」とあいさつしたい気分だけど……我慢。





 私たちは今、ある準備を進めています。


「美月ちゃん、準備はできましたか?」


 その、ある準備も大詰め!

 それもそのはず、決行はゴールデンウィークが始まる明日からなのですから!


「うん!バッチリだよ!!」


 美月ちゃんも準備はいいみたいですね!本当に楽しみです。


「私の方も準備は完了です!あとは美香先生を待つのみ」


 今回、私と美月ちゃんはゴールデンウィークを使って旅行することにしました。


 もちろん、翔斗くんを含めた3人で行きます!

 場所は……内緒です!!!


 3人で行くと美香ちゃんが1人になってしまうので、一緒に行かないか、と誘ったのですが友達の家に行くからいいと断られてしまいました。


 なんだか、気を遣われているみたいで申し訳ないです。




 話を戻しますが、美香ちゃんには翔斗くんにバレず、翔斗くんの旅行の支度をお願いしました。


 サプライズするならとことんサプライズしたいですからね!


 これぞ!エンターテイナー凪!!


 ladies and gentlemen!!ふふ…………少し恥ずかしいですね。

 この凪は封印という事で。



 ピンポーン、ピンポーン


 ナイス!タイミングで美香ちゃんが来ました。


 しっかり、翔斗くんの旅行準備をしてきてくれました。


 ちょっとだけ中を覗くと、翔斗くんのパ、パ、パンツが見えました。…………赤、色…………美香ちゃんは決行派で目なものを選んだみたいですね。


 ま、そんなことは置いておいて!これで、残るは当日翔斗くんを連れ出すだけとなりました!!


 絶対成功させて、旅行を楽しんでみせます!!


 頑張れ凪ちゃん!えいえいおーー!!





 ―――――――――


 ―――4月20日、旅行の提案をされた後の話―――




「美月ちゃん、ゴールデンウィーク旅行に行きましょう」


 何を考えてその提案をしたのかわかりませんが、凪ちゃんが突拍子もないことを口にしました。


「旅行??場所とかは?」


 私の質問に凪ちゃんは考え始めました。

 まだ行き先も決めていない、思い付きの段階見たいです。


「これから2人で決めよう!」


 凪ちゃんはテヘッみたいな感じで私の質問に答えてきました。

 翔くんと旅行なんて嫌なわけないので、もちろん凪ちゃんの話を了承!


 私と凪ちゃんのゴールデンウィーク旅行計画が自動しました……と言っても、約1週間もしたらもうゴールデンウィークです。早めに決めなくてはいけません。


「とりあえず今日から考えよう!でも翔くん、今日は話せないと思うけどどうするの?」


 第一の関門はこれ。


 本当のところは何があったのかわかりませんが、あそこまで落ち込んでいる翔くんに対して旅行の提案なんてタイミング的にあまり良くないのでは?と思ってしまったのです。


 すると、凪ちゃんは何食わぬ顔顔で言いました。


「え?翔斗くんには内緒だけど」


「え?内緒?サプライズ的な感じってこと?」


「そうそう!今、旅行行こうとか言っても断られる可能性だってあるんだし、だったら旅行当日に旅行のこと伝えてサプライズ旅行しちゃおう〜と思って……どうかな?」


 最近、凪ちゃんの成長をよく感じます。


 翔くんと友達になった時の凪ちゃんなんて、奥手を極めし女!みたいな感じだったのに、今ではこんなサプライズ旅行を提案できるほどになったんですから。


 そんな凪ちゃんの提案に対して、私が否定なんてできるわけがなく、否定するつもりもないので、


「まぁ、たまにはいいか。やっちゃおう!!」


 私も凪ちゃんのサプライズ旅行の案に乗っかることにしました。


 また、翔くんとお泊まりだ!嬉しすぎる!!

 今回もギューできるかな?キ、キスとかしちゃったりして……ふふ……あ〜楽しみすぎる。





 ―――現在―――



 明日は、待ちに待ったサプライズ旅行!!


 洋服も入れた!トランプも入れた!お気に入りの下着も……入れた。


 準備満タンです!


 明日の旅行!絶対楽しい物にしてみます!!


__________________________________________

118話読んで頂きありがとうございます!


次から、ゴールデンウィーク旅行編!

お楽しみに!


総合PVがいつの間にか31万超えていました!

いつも見てくださりありがとうございます。

これからもよろしくお願い致します。










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