朝露視点
第111話 4月6日 ガツンっと言ってやりました!
2年B組、私の新しいクラスです。
まさか、翔斗くんと美月ちゃんと同じになれるとは思ってもいませんでした。
正直に言いますと、とても嬉凪です。
どちらか2人となれただけでも運がいいことなのに、2人共なんて私はどれだけ運がいいんでしょう……と思っていたのに、教室に入った瞬間私は固まりました。
なぜなら、翔斗くんの元カノである川谷さんも同じクラスだったからです。
別に川谷さんが何かするとか思っているわけではありません。
してきたとしても、私と美月ちゃんで撃退してやるつもりですから。
問題はないと判断した私は、翔斗くんのことを見ました。
…………やっぱり、少し動揺しているようでした。
ここは私がフォローしなくては行けませんね。
「翔斗く……」
「翔くん大丈夫??」
声をかけようとしたところ、美月ちゃんに先を越されてしまいました。
少し前だったら私が言っていたはずなのに……。
美月ちゃんの成長を感じます。
油断をしていると先を越されそうですね……気を引き締めないと。
美月ちゃんの成長と言えば、2人で同棲を始めた初日はほとんどの家事を美月ちゃんは出来ていませんでした。
教えること自体は苦ではなかったので、一緒にやりながら覚えてもらうことにしたのですが、1週間ほど経った今では、完璧にマスターしたみたいで私に聞いてくることもなくなりました。
本当に美月ちゃんは侮れない人だと思います。
油断していたらすぐに置いて行かれてしまいそうです。
「うん、大丈夫だよ?ほら、席に着こうか」
翔斗くんの一言で私たちはそれぞれの席に着きます。
苗字順なので仕方がないことですが、席では私だけ離れ離れでちょっとだけ寂し凪です。
ちょうど翔斗くんと美月ちゃんは、間を挟んだ隣の席だったみたいで楽しそうに話しています。
なんだか嫉妬凪になりそうです。
そんなことを思っていると、背中の辺りから男子たちの話し声が聞こえてきました。
人数で言うと2人ぐらいでしょうか。
「おい……なんなんだよあいつ」
「本当にな。朝露さんと夜光さん2人を連れて歩くとかやばすぎるよな」
そもそも、連れて歩くと言う発想実態が間違っているのですけどね。
それに、私が前にいると言うのによく話しますよね。
改めて翔斗くん以外の男子はどうしようもないと感じます。
そう思っていると、男子たちの会話の内容がエスカレートしていきました。
「確かに。そこまでかっこよくないのに、あんなのがいいのかね?うちの2大美女は」
「それな!!あれなら俺たちの方がマシな気がするんだけど。もしかしたら、ただ仲いいだけかもしれないし、紹介してもらうために友達になっとく??」
「お!!いいじゃん!それで、いつかはダブルデートとか行けたりして!」
「そうなったら、俺らの学校生活安定じゃん!」
もう我慢の限界でした。
完全に怒凪です!
「さっきから聞いていましたけど、どう言うつもりで翔斗くんの悪口を言っているのですか??」
案外声が大きかったみたいで、先程までうるさかった教室が一気に静まり返りました。
そんなことは気にしません。
翔斗くんのことを知りもしないで色々言われるのだけは我慢ができないのです。
「あ、やべ……聞かれてた」
「い、いや、朝露さん。別に俺らはそう言う意味で言ったんじゃん……」
「そう言う意味?あの言葉に、翔斗くんをバカにする以外のどんな意味が込められていると言うのですか?翔斗くんの何を見て、何を知って先程のようなことを口にしたと言うんのか私が理解できるように教えてください。一応伝わるかも知れないので言っておきますが、翔斗くんは決して私たちといる事を学校生活を送っていく上での自分のステータスだとは思っていませんからね。貴方達みたいに自分の学校生活安定のために私たちを道具みたいに扱う人ではありませんから。それだけでも貴方達よりかはカッコいいですよ」
ふぅ!!言ってやりました。
なんだかスッキリ凪です!
先程の男子たちはと言うと、戦意喪失してしまったのか、顔が真っ白になっています。
そのタイミングで心配してくれたのか、翔斗くんと美月ちゃんが私のところに来てくれました。
「どうしたの、なんか言われた??」
「いえいえ!(私の大好きな)翔斗くんの悪口を言っていたので、ガツンっと言ってやりました!」(翔斗に耳打ち)
「あ……うん。ありがとう」
ドキッとしたのか、少しだけ顔を赤くする翔斗くん。
こう言う時の翔斗くんって本当に可愛いですよね。
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