夜光視点

第46話  11月13・14日 夜光美月は変わります!

ついに文化祭が始まりました。

そして私にとってはとても嬉しいことが起きます。


クラスで展示しているものを見張る係があるのですが、それを古巻くんと出来ることになったのです。


もしかしたら友達になれるかも!そう思いました。


ついに教室の中は2人だけとなりました。

なんだか、あの時見たいで懐かしいですね。


「あ、古巻くんよろしくね」


「あ、夜光さんこちらこそよろしくお願いします」


今日はラノベの話ができればいいのですが……

そう思っていると、


「夜光さんも運が悪かったですね」


古巻くんから言われてしまいました。

運が悪い??逆です!これは運が良いですよ!


「そんなことはないよ?だって最初に終われるし。

翔斗くんと一緒にいれますし」


小さい声だけど言ってしまった……恥ずかしい。

この調子で、もっと話をしようと思ったら、

私たちの展示を見にきた人が来ました。


人も居なくなってきたので話しかけようとしましたが……また人が来ました。



やっと居なくなったので、今度こそ話しかけようしましたが……タイミングを見計らったようにまた人が来ました。


も〜少しは会話させてよ〜〜


結局そのあと文化祭何して過ごすのか、ぐらいしか話すことができませんでした。


なんでこんなに中途半端なことを神様はするのでしょうか。もう少し私にチャンスをくれてもいいのに……




そこからはいつも通り、私の周りに集まってくる人と文化祭を回ります。


正直に言うとやっぱり面白くありません。

本音を言えないことが辛いです。

この時間があれば本が読めるのに……




昼ごろになったので私たちは3階の食べ物エリアに行きました。

すると一緒にいたメンバーが何か言い始めました。


「え?あの2人ってもしかしてなの?」


「文化祭の腕章つけてるから仕事じゃない?」


「だとしても2人でご飯は食べなくない??」


言葉を聞き、私はその話の原因に目を向けました。

……そして私はとても悲しくなりました。


そこには古巻くんと朝露さんが一緒にご飯を食べていたから。

さっき一緒にいた時とは全然違うとても楽しそうな顔を古巻くんがしていたから。


その瞬間、私は一緒にいた子に一言だけ言ってその場を去りました。

私は逃げ出したのです。

今日はもう家に帰ろうそう思いました。


幸い、この学校の文化祭は昼を過ぎたら帰っていいルールとなっていましたから。クラスの見張りも終わってましたし。


もう帰ろう


……今日は帰ろう。





家についても私の頭の中ではさっき見た2人のことが頭から離れませんでした。


思い出すだけで辛くなります。

本当に悲しくなります。

心の底から後悔しました。

そして、あの2人だけが仲良くなって行くのがどうしても嫌でした。


明日は休もう、

そして、少し考えよう。




翌日


朝起きた時、やっぱり休むことにしました。





私は冷静になって、気がつきました。


今まで、


都合のいいことを言って逃げていたのは私。


文化祭実行委員をやらなかったのは私。


見張りをやっている時も、古巻くんに話しかけられなかったのは私。神様なんて関係ない。


文化祭の準備の時だって、朝露さんを見て引いたのは私。


そう、全て私が選択して来た結果が今回のことを招いたのだと。


朝露さんの古巻くんに対する想いは私と似ていることもわかっていたのに、私は無視して来たのです。


朝露さんは着々と古巻くんと距離を詰めているのに、

私は何もしてない。


古巻くんの好きなものを好きになって距離が詰まっていると勘違いしていただけ。


なんて、私は、バカなんだろう……


このままでは、何も出来ずに終わってしまう。


また私は自らチャンスを潰してしまうのだろうか。


嫌だ、そんなの絶対に嫌だ!!


今回だけは逃げたくない。


初めて言ってくれたから。


素直な気持ちを私に言ってくれたから。


そして、初めて好きになった人だから……


もう逃げない。


周りに何を思われようと、私にとってはどうでもいい。


古巻くんが朝露さんだけの者になるのは1人になるより私は辛い。


だから変わるのです。


これからなんて遅すぎる今から変わるのです。


その一歩として、今から学校に行きます。


多分朝露さんのことですから、古巻くんと一緒にいると思います。


それでも気にしません。


何なら都合がいいのではないでしょうか。


だって朝露さんに宣戦布告出来るのだから。


待っていてください。古巻くん。





私はすぐに制服に着替えて学校に向かいます。

着いたら先生に来たことを伝えました。それはしておいた方がいいと思ったからです……


職員室を出たら、クラスメイトに会いました。いつも私の周りにいる子たちです。やっぱり私がいなくても楽しそうにしていますね。まぁ〜そんなこと今はどうでもいいです。


「あ、美月だ〜大丈夫だった?一緒に回ろう」


と言ってくれましたがそんなことしている暇はありません。私は質問をします。


「いや、今日は一緒に回れないのごめんね。そんなことよりも古巻くん見てない?」


とても驚いた顔をされましたがすぐにわからないと教えてくれました。


「ありがとう」


一言お礼を言ってから、私は5階から探すことにしました。4階、3階と探してもいません。すれ違いですかね……そう思いましたが一応2階、最後に1階を探しました。ですが見つかりません。

もう一度探そうと1階から2階に上がろうとした時、微かに話し声が聞こえました。振り向くと図書室から聞こえていました。


図書室の入り口に近づくとさらに聞こえてきます。そして気がつきますその声は古巻くんの声だと。


一旦心を落ち着かせて深呼吸しました。


もう逃げません!


そう心の中で呟いてから私は図書室に入ります。


やっぱり中には古巻くんと朝露さんがいました。少し心にくるものがありますがもう今更です。


「あの古巻くんいいですか??」


「ん?うん。どうしたの夜光さん」


「話したいことがあるんです」


私がそう言うと、


「私は一旦出ますね。夜光さんも私がいては邪魔でしょう?」


朝露さん、何を逃げようとしてるんですか。

あなたも一緒に聞くんですよ!


「いえ、居てもらって結構ですよ。告白するわけではありませんし」


「そうですか」


「はい!」


私はもう一度呼びました。


「古巻くん」


「はい」


一旦間を開けます。そして、


「私と友達になってください」


その言葉と一緒に私はメッセージアプリのIDが表示されている画面を見せました。


やっと言えました。


ずっと言いたかったことが。


やっと、スタートラインに立てました。


ここからです!


ここから、私、夜光美月は変わります!


___________________________________________

46話読んで頂きありがとうございます。


少し急ぎましたかね??って思うのですが、

まーいいか。早く2人のバトルが見たいですし。


夜ちゃん派の方々、良い報告です。

今まで、古巻視点、朝露視点を2回繰り返したら夜光視点を投稿したいましたが、次からは正式なローテーションに加わります。


次からは古巻視点、朝露視点、夜光視点、

となりますのでよろしくお願いします!


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本当にありがとうございます。

これからもよろしくお願いします!


誤字脱字報告、何度もありがとうございます。

結構探してるんですけどね、、

申し訳ないです。


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