朝露視点
第45話 11月14日 それだけは絶対に許しません。
昨日翔斗くんから一人で帰ると言われた時は嫌われてしまったのかと思いました……
文化祭二日目、予定通り図書室に来た翔斗くんは昨日、元カノさんと会ってしまい、話したことを聞きました。
「そんなことあったんですか……」
私はとても複雑な気持ちになりました。
まず最初に思ったのは話したこともありませんが花さんに対しての怒りです。私の友達を傷つけたこと、弄んでいることがとても腹が立ちました。
そして、今の翔斗くんを見ると出会った時に戻ってしまっているみたいでとても悲しくなりました。
「話してくれてありがとうございます」
「……はい」
今日の翔斗くんは全然元気がありません。
この日を楽しみにしていたのに、少し残念です。
悩んだ末私は決めました。しっかり翔斗くんと話してみようと……
私にとってラノベが読めなくなるよりも、翔斗くんの元気が無い方がいやだから……
「翔斗くんはどう思っているんですか?」
私は率直に質問しました。
「どう思っている……ですか?」
「はい、そうです。昨日花さんと話して、翔斗くんは何を思いましたか?これからどうしたいんですか??私は翔斗くんの意見が聞きたいです」
「僕は……僕は、昨日花と話して許すことはできません。花のことを好きだとも思いません。今までみたいに接する事なんて僕にはできません……ですが」
「ですが?」
「僕たちは四人で幼馴染です。花を許すことはできませんが、友達だった時、幼馴染だった時の思い出はしっかりと残っています……そこだけが引っかかってるんです」
やっぱりそうですか……
人の信頼関係とは積み上げて行くものだと思います。積み上げて行くのが高くなるほど、信頼関係は深くなります。
それに伴い、信頼関係が崩れた時は積み上げてきた高さに比例して大きくなるでしょう。そして一回崩れてしまった信頼関係は、積み上げるのがとても大変だと
思います。
翔斗くんと花さんの関係は幼馴染と言う関係です。本当に小さい頃から一緒にいたのでしょう。崩れても全部は崩れなかったのだと思います。だからこそ、今の翔斗くんみたいな反応になるのでしょう。
閑話休題
私的には友達に戻る必要あるのかなって思うのですが、ここで花さんの言ってることを違うと決めつけて花さんを切り捨てるのは、私の知る翔斗くんではないとも思ってしまいました。
だから……
「私個人の意見では、翔斗くんには私がいますから、花さんという友達なんて必要ないと思います。
ですが、私の友達である翔斗くんは誰であろうと手を差し伸べる人だと思っています。そして何よりそういう翔斗くんが私は好きです。だからこそ私はこうして翔斗くんといるんです。翔斗くんがどんな答えを出そうとも私はその答えを尊重します。そして、それを応援します。なので、今決めなくていいのではないでしょうか?花さんはこれから翔斗くんに見せると言っていたんですよね?だったらそれを見てから決めても私はいいと思います。どうですか?」
すると翔斗くんは、
「うん、そうだね。ありがとう凪。たしかにそうだったかもしれない。まだ許せないけど、許せない、ムカつく、という感情だけに任せて花の全てを否定するのは良くないね。でも、やっぱり僕と付き合っていながらも浮気をしてる時点で僕は一回裏切られているんだ。だから僕から花に話しかけたりすることはないと思う。最初は話しかけられても、多分答えられない思う。もしかしたらこれから先ずっとかもしれない。そしてもしかしたら凪が好まない答えを僕は出すかもしれない。それでも友達として僕のことを支えてほしいなって思うんだけど、いいかな?」
私の言いたいことは通じたみたいでよかったです。やっぱり翔斗くんはこうではないと。
「ふふ。当たり前です。私は翔斗くんの友達ですから」
翔斗くんも少しではありますがいつも通りに戻ってきたので、遅くなりましたが、予定通りラノベを読もうと思います。
ラノベを読みながら、
私は心の中で花さんに向けて言います。
私から翔斗くんを取れると思わないでください。
翔斗くんは、私にとって世界で唯一心を許している人なのです。
友達になりたいと思うのも、恋人になりたいと思うのも花さんの自由だとは思います。
が、そんなこと私が簡単にさせると思わないことですね。
そして、何度謝ろうと、翔斗くんが許すと言ったとしても、翔斗くんの心を傷つけたこと。
それだけは絶対に許しません。
___________________________________________
45話読んで頂きありがとうございます!
様々な方からコメント頂きました。
色んな意見を聞けてよかったです。
私自身はこういうことをされたら絶対に許さないと思います。表面上許したとしてもどっかで絶対残ります。引きずります。
翔斗くんはどのような答えを出すのでしょうね。
楽しみです。
コメント、レビュー、応援、小説のフォロー、
本当にありがとうございます。
誤字脱字報告も本当にすいません!!ありがとうございます。
Twitterの方ももしよければフォローしていただけると嬉しいです!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます