古巻視点

第38話  10月19日 妹がやる気に満ちているんだが・・・

土曜日になった。

僕は美香の準備を待っている間リビングで昨日のことを思い出していた。


――――――――――――――――――――

「美香。急なんだけど日曜日、凪が美香に会いに来ることになったよ」


「え?そんな急に?」


「うん。ダメだった?」


「ダメではないけどさぁー、事前に言ってよねー」


「ごめんごめん。なら大丈夫ってことね??」


「うん!明日多めに買い物するからね」


「はいよー」


―――――――――――――――――――――

そのタイミングで準備ができたのか美香がリビングに入ってきた。


「今日はかなりお洒落だな」


「うん!ありがとう!」


兄妹で出かけると言うのに美香はとてもお洒落な格好をしていた。


……妹ながらやっぱり可愛いなぁ〜


そんなことより美香がお洒落するなら僕もしないとダメかな。


「美香ちょっと待っててくれ着替えてくる」


そう言って一度着替えてから僕らはお馴染みのショッピングモールに向けて家を出た。


まず先に行くのは僕の美容院。


「今日はどのようにしますか?」


僕はこの質問が嫌いだ。だって自分に似合う髪型なんてわからないから


「あ、色んな髪型にできるような髪型にしてください」


僕が困っていると、後ろで見ていた美香が代わりに答えてくれた。


「はい。わかりました」


「ごめん美香ありがとう」


担当の人は僕の髪を切り始めました。



1時間ほどで終わり、次は美香の買い物に移ります。


「付き合ってくれてありがとう、美香」


「うん……いいってことよ……」


なんかいつもより元気がないと言うか顔が赤い気がするが大丈夫だろうか


「なんか顔が赤くない?大丈夫か?」


「そ、そんなことないから。早く行くよお兄ちゃん」


そう言って一人でどんどん言ってしまった。

何故か、髪の毛を切ってから、視線を感じるが……僕は先に行く美香を追いかけた。



結局僕たちは18時頃までショッピングをし、そのまま夜ご飯を済ませることにした。


「買いたいの買えたか?美香」


「う、うん。久しぶりにいっぱい買えたよ。

ありがと……う」


やっぱりさっきから美香の様子がおかしい。

確か前にもこのようなことがあった気がする……

あ、その時も髪切った時だ。

なんだ、美香は人が髪を切ると恥ずかしくなるのか?……美香も変わってるな。





「「ただいまー」」


僕たちは20時頃に家に着いた。


「疲れたね!お兄ちゃん!」 


様子がおかしかった美香は既にいつも通りに戻っていた。


「そうだね!あ、明日はよろしく頼むね!」


美香にそう言うと、


「任せて絶対に負けないから!」


ん?負けない?なにを言っているんだ??


「お、おう」



なんか、別の意味で


    妹がやる気に満ちているんだが……


___________________________________________

38話読んでいただきありがとうございます。


次の日は美香と凪ちゃんの間でどのような戦いが行われるのか楽しみですね。


誤字脱字、感想などのコメントお待ちしております。

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