朝露視点
第37話 10月18日 翔斗くんの家にお邪魔することになりました。
昨日は本当に驚きました。まさか私が思っていた文化祭が他の人とは違ったとは……
でもしょうがないと思います。だって中学一年生の時から私はそうだったのだから。
うん!しょうがない!私はそう結論づけました。
それよりも、まさか文化祭の2日間全て翔斗くんと、一緒に入れるとは……嬉しいですね!
何より二人で1日ラノベを読めるなんて私にはご褒美でしかありません。
こんなに文化祭が楽しみになるとは私は夢にも思いませんでした。
そんなことを思っていると翔斗くんとの待ち合わせまであと5分なことに気が付きました。
ですが大丈夫、もう玄関で靴履いて待ってますから!いつでも出れるのです!
最近は翔斗くんと行くのが私の当たり前です。
いつも通りエントランスを出ると既に翔斗くんが待ってくれています。これもいつも通りです。申し訳ないですが……
「おはようございます。翔斗くん!」
「うん!おはよう凪」
そうして私たちはいつも通りの道をいつも通りに並んで歩きます。
今日の授業から本格的に段ボールで文字を作っていきます。
来週から1日が4時間目までで終わりになり、その全てが文化祭準備に変わります。
今日は5時間目、6時間目だけです。
「じゃーこの6班でそれぞれの漢字の部分をよろしくお願いします。僕たちは基本指示だけどなってしまいますが手伝えることは手伝いますのでいつでも言ってください」
翔斗くんの言葉でみんなが一斉に作業を始めます。
私たちは私たちで段ボールが保管してある場所に向かいます。
「先生曰く段ボールは、ゴミ捨て場の入り口のすぐ横に積んであるそうですよ」
「どのくらいあるんだろうね」
「でも最近お願いしたばかりですし、そんなにないんじゃないですか?」
私たちは少し先生を侮っていたみたいです。
「うわぁ……まじかこれ」
「これは……想像以上でしたね」
ゴミ捨て場の入り口には私たちの背を遥かに超える、高さに積み上げられた段ボールがありました。
「なんかこれだけでもうアートな気がするよ」
「そんなこと言ってないで早く運びますよ」
翔斗くんのボケを軽くツッコミながら私たちは二人で持てる分だけ持ち運んでいきます。
「段ボール追加です。必要な班いますか?」
翔斗くんの問いに四つの班が手をあげます。
なので私たちは二手に分かれ配りに行きます。
そのあとはまたゴミ捨て場に行き段ボールを運びます。
私が先に配り終わったので翔斗くんを待っていると、翔斗くんがクラスメイトに質問されているのが目につきました。
いや、質問自体に何か思った訳ではありません。ましては、それが女子だったからでもありません。その相手が実行委員を決める時に手をあげていた夜光さんだったからです。
すぐに質問は終わったみたいで、翔斗くんがかけてきました。
ですが私は見逃しません。
夜光さんがもう少し話したそうに翔斗くんの背中を見ていたことを……いけない、いけない、私の心のダーク凪が顔を出そうとしていました。
「お待たせしました」
「いえいえ待ってなんかいませんよ?待ってなんか」
「え??はい……」
そうして私たちは5時間目をまるまる使って段ボールを運びました。
「いや、疲れたね……」
「そうですね」
私たちは最後の一回ということで休憩しています。誰もいないので、翔斗くんの口調は二人でいる時の口調です。こうやって使い分けてくれると特別感が出てなんかいいですね。
「そろそろ戻りますか」
5分くらい休憩した後私の一言で教室に戻りました。
今日の作業はスムーズに進んだこともあり、予定もよりも早く帰ることができました。
そして今日も翔斗くんと最寄駅で待ち合わせして帰ります。
「あの、翔斗くんって今週の土日は何するんですか?」
唐突に疑問に思ったので聞いてみました。
「土曜日は妹と一緒に出かけるよ」
「あ、そうなのですね。よく妹さんの話しを聞くのですが私も一回は会ってみたいですね」
何気なく言うと、
「なら日曜日妹に会いに家に来る??」
そんなことを言われました。
時々翔斗くんはこう言うところがある。
少しぐらい考えてくれてもいいと思うのだが、
悪気がないので何も言えないですが……
「んーならお邪魔させてもらいますね」
そうして、私は明後日の日曜日に急遽、
翔斗くんの家にお邪魔することになりました。
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37話読んでいただきありがとうございます。
この1話で色々ありましたね。
これから回収していきますね!
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