朝露視点

第18話  10月9日 私も古巻くんと行ってみたい

 

 今、私は家で1人……ニヤけていました。


―――――――――――――――――――――


私は古巻くんとの約束の時間、21時に合わせて色々やることをやっていました。

鼻歌を歌いながら、ご飯を作り。

鼻歌を歌いながら、お風呂に入る。

そして、いつもより美容に力を入れました。

なぜかって、分かりません。

気分が乗ったからです。やること全部終わりベットに入り私はスマホを見ました。予定よりも30分早く終わらせられたことに気がつきました。でも、そんなことは気にしません。

特にやることがないのでラノベを読みながら古巻くんを待つことにしました。もちろん通知音を最大まで上げます。連絡が来た時、すぐ気付けるために。


私がラノベを読み始めてから15分が経ちました。スマホから大音量で通知が鳴りました。

すると、


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「古巻」『お待たせしました。今日はどの

     作品の話しをしますか?』


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まだ21時になってないのに、古巻くんがメッセージを送ってくれたこと。楽しみにしていたこの時間が来てくれたことに……


私は1人でニヤけてしまいました。


すぐに我に帰り、既読をつけ、返信をします。


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「朝露」『いや、逆に1時間も時間を早めて

     頂き、ありがとうございます。

     そうですね。どの話をしましょうか

     ね。なら、今日は私がいつも

     買ってる出版社以外の作品で

     古巻くんがおすすめな作品

     教えて欲しいです!』


「古巻」『いえいえ、僕の方こそ一緒に帰れ

     なくてごめんなさい。いや、それは

     なんか上からですね……すいませ

     ん。明日は一緒に、

     話しながら帰りたいです』

    『あ、それならちょうどおすすめ

     したいなと思っていた作品が

     あるんですよ』


――――――――――――――――――――


そう言って、古巻くんは明日は一緒にラノベの話をしながら帰りたいこと。おすすめしたい作品があったことを返信してくれました。



今日は一緒に帰ることができなかった。

私は学校にいた時、別に明日一緒に帰ればいいだけでしょうと思っていました。

……が、いざ1人で帰ると、とても寂しい気持ちになりました。まだ2日しか一緒に帰ってないのに、私はもう1人で帰ると寂しいと感じてしまうみたいです。


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「朝露」『どんな作品ですか』


「古巻」『今度アニメ化が決まった作品で、

     天使様にいつのまにかダメ○間に

     されるお話なんですよ』


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そう言ってその作品について教えてくれました。


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「朝露」『とても面白そうですね……是非

     読んでみたいです!もしかして

     古巻くんは全巻 

     持っていたりすんですか?』


「古巻」『もちろん!持っていますよ!

     明日貸しましょうか?それとも

     本は自分で買って読みたい派の人

     ですか??』


「朝露」『いや、なんですか派の人って笑

     古巻くんはおかしい人ですね。

     せっかく教えて頂きましたし、

     気になりましたので貸して

     頂けたら嬉しいです』


「古巻」『あはは……おかしいですかね笑

     わかりました。朝露さん読むの

     早いので2巻持っていきますね!』


―――――――――――――――――――――


その後も私たちはラノベについて話しました。

その途中私は今日古巻くんがあの2人と放課後何したのか気になったので聞いてみることにしました。


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「朝露」『そういえば、古巻くん。お友達との

     遊びはどうでしたか??』


「古巻」『あ、そうだ。朝露さんに今日2人

     から聞いた話で一応お伝えして

     おこうと思ったことがあったん

     ですよ』


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そして、古巻くんは昨日私が告白された、東條さんが、古巻くんの元カノさんの浮気相手で、付き合っている人がいたのに私に告白をしていたことを教えてくれました。


それを私に言われてもと思ったのですが、古巻くん自身が自分だけそれを知っていて、朝露さんに秘密にしているのが嫌だったみたいです。ほんとに古巻くんは律儀だと思います。


……そんなことより私が聞きたかったのはそれではありません。


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「朝露」『伝えてくれてありがとうございま

     す!それで、遊びの方は

     どうだったんですか?』


「古巻」『すいません笑 話が逸れましたね。

     最初はショッピングモールで新庄の

     買い物に2人で付き合いました。

     その次に3人で近くのファミレスに

     行ってご飯を食べました。

     今日はそれぐらいですかね』


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古巻くんの話を聞いて私は「ずるい」と思ってしまいました。

私は友達とショッピングもファミレスという所にも行ったことがありません。

そして私には古巻くんという友達が出来ました。

ですが、古巻くんとは今はラノベのお話をするだけです。私以外の友達は古巻くんとどこかへ行ったりしているのに、私は話すだけ……私は人生で初めて嫉妬をしていることに気が付きました。

そしてさらにあることに気付きました。


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「朝露」『ずるいです』


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私は古巻くんに送ってしまっていたみたいです。

古巻くんからは


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「古巻」『え……ごめんなさい。』


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謝られてしまいました。私から聞いといて、

ずるいとか言ったのに。


『いや、私こそ申し訳ありません。

        ずるいという…………


私は、なんて送ったらいいのか分からなくなりました。

嫉妬と言う初めての感情に、どうしたらいいか分からず手が止まってしまいました。

すると、古巻くんからもう一件送られてきました。


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「古巻」『僕の勘違いだったらすいません。

     朝露さんは僕とファミレスとかに

     行きたいと思ってくれたん

     ですか?』


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私は思わず笑ってしまいました。


その通りだったからです。私は古巻くんと

ファミレスに行ってみたい。

一緒にショッピングしたりしてみたい。

と、思ってしまったみたいです。

私は出会ってまだ数日の古巻くんにここまで心を開いていたことに気がつきました。

好きではない、でも嫌いではない。

ラノベが繋いでくれていた特殊な友達から、普通の友達になったのだと感じました。


それなら!っと私は途中になっていた文章を消して古巻くんとの関係を一歩進めようと新たに文章を打って古巻くんに送りました。



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「朝露」『はい。私も、

      古巻くんと行ってみたいです』


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18話読んで頂きありがとうございます。


自分の中で、こんな数日で人って変わるのかなって疑問に思います。ですがよくよく考えてみると、あるんですよね。特に、自分自身にとって初めてとなる経験はより人を変えるのではないかと思うんです。そして朝露凪は、古巻翔斗という自分と同じ趣味を持つ者と出会い、初めての友達となったことでここまでの変化を見せたのではないかと思います。

もし、朝露の変化の速さに疑問を感じてしまった方、この説明で無理やり納得していただけると嬉しいです笑


ここまで読んで頂きありがとうございます。

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