古巻視点
第17話 10月9日 この時間が今の僕の幸せだから。
僕は今、日曜日に行った町にあるショッピングモールに来ていた。
「なんで、僕が舞のショッピングに付き合わなきゃ行けないんだよ、正樹」
僕は文句を垂れていた。
「そんなこと言うなよ。昔からの仲だろ」
と、肩を組んできた正樹に、
「こんなの、正樹とのデートでできるだろう」
そう言いつつも僕は着いて行くのであった。
その後1時間ほど舞に付き合った僕たちは
ショッピングモールを出て近くにあるファミレスに入ることになった。しっかり美香にはご飯を食べてくると伝えている。「私を1人にするなんてバカ!」と返ってきたが、そこまで怒ってないので気にしない。
3人とも注文が終わり、ドリンクバーを取りに行く。僕はコーラ、正樹はメロンソーダ、舞はミルクティー
それぞれ別のものを持って席に座ったタイミングで、正樹、舞2人とも少し真面目な顔をして話しかけてくる。
「で、ほんとに最近何があった??」
正樹からの唐突的な質問がかけられた。
「いや、何があったってなんだよ。至って普通でしょ」
「いや、それがおかしいんだよ」
「そう、逆にそれがおかしい」
僕の答えに順に舞、正樹が言う。
「言ってることがわからないんだが……
もう花のことは吹っ切れたんだよ。だからいつも通り過ごしているだけだよ」
「いや、3日経っても吹っ切れなかったお前が、
そんな急に土日開けたら吹っ切れましたって都合が良すぎるだろ。何かなきゃおかしいし、俺から見て最近のお前は花と付き合っていた時より楽しそうに見えるぞ?」
と、正樹に言われてしまった。
たしかに周りの人からならこの理由で通用するかもしれない。けど、幼馴染のこの2人には通用しないのだろうなと僕は思った。頭の中でこの2人なら朝露さんのことを言ってもいいのではないかと考えてしまう。
だが、それは朝露さんに相談し、了承を経た上で話すことだと思う僕はその考えを頭から消した。
そして、2人には朝露さんとは言わずに伝えることにした。
「まーそうだよな。僕に初めての友達ができたんだ」
僕はそう2人に伝えた。
「いや、俺ら友達じゃなかったのかよ」
「そうだよ、ひどいぞ!翔斗」
2人がわかっていながら僕に言ってきた。
「はぁーわかってるくせにさ。そう言うことじゃなくて、僕と同じ趣味を持つ友達ができたんだ。そのおかげで花とのことを吹っ切れた。今は花といた時よりも楽しい、そう感じているよ」
僕は2人がわかるように説明した。朝露さんだと言うことだけは隠して。
「そう言うことか……ならよかったじゃん。
俺はいまいちラノベとかわからなかったからな」
そう言って2人を納得させることができたのであった。
その後は、注文したご飯を食べ、食べ終わったらドリンクをおかわりして、3人で雑談をした。
そしてそろそろ帰ろうかと僕が言おうとしたのこと時だった。
「あのさ、翔斗……」
舞がいつもよりかは元気がないような口調で話しかけてきた。そう言えば先程から静かだったなと僕は思った。
「おい、舞。翔斗に伝えるつもりか?」
舞の雰囲気から正樹が伝える内容を理解したのか、少し怒ったように質問した。
「私、翔斗にはちゃんと伝えなきゃいけないと思うもん」
そう言って舞は、正樹に真剣な声で答える。
こうなってしまった舞は、正樹がなんと言おうと言うことは聞かないことを僕と正樹は知っている。だから、
「わかったよ。俺もするけど翔斗が落ち込むようなら、フォローしろよな」
「うん、わかった。ありがとう」
そう言って僕だけ何も知らないまま、僕が落ち込むこと、そして落ち込んだらフォローすることを話し合ってるいる。内容自体はなんとなくだが想像がつくのだが。
「じゃー話すよ。花のことなんだけど……」
そう言って舞は話し始めた。
まず花は僕と別れてから次の日にはもう浮気相手と付き合い始めたこと。
僕はそんなこと聞いても全く何も感じなかった。
まず別れる時にその浮気相手のことが好きで僕のことは好きじゃないから別れてくれと言われたのだ、
そうなることなんて想像がつく。
そしてその相手がなんと東條結城だと言うこと。それにはさすがに驚いた。
まさか昨日朝露さんに告白したやつが花の浮気相手で今の恋人とは。このことから、花も遊ばれていると言うことはわかったが、それでも花に同情することなどなかった。2人は僕がそんなことを思っているとは知らないため、僕の驚きがショックを受けたと感じたらしい。
やたら、僕に気遣った声をかけてくる。だが、勘違いを訂正しようとしても、東條が朝露さんに告白していたことを言わなくてはいけなくなるためできなかった。僕は仕方なく、2人からの気遣いを受けておくことにした。
そして、もちろん元々は花も含めた4人の幼馴染ということもあり、舞には伝えてきたそうだ。舞からしたら、花には怒りしか感じないらしく軽く流したらしいが、やっぱり僕には隠していたくなかったらしく話すことにしたそうだ。
舞からの話を聞いた僕はと言うと。
全く落ち込むことはなかった。だから、
「伝えてくれてありがとう」
そう一言だけ言ってこの話を終わらせることにした。それにより、2人も僕が本当に花のことを吹っ切れたと言うことを信じたみたいで、気遣うのをやめて普通に話すようになった。
その後は、もうそろ19時になりそうだったので美香が待っていると言って解散することになった。
帰り道僕は少しだけ、花のことを思い出した。だからと言って、まだ好きと言う気持ちはないと思う。だけど、花が東條に騙されているかもと思うと少しだけ思うところはあった……
19時30分には家に着くことができた。
21時からの朝露さんとのやりとりに向けて急いでお風呂などを済ませる。
今は20時45分
少し早いけど、話したかったから僕はメッセージを送る。
―――――――――――――――――――――
「古巻」『お待たせしました。今日はどの作品
の話しをしますか?』
―――――――――――――――――――――
そうして僕は大切な友達とラノベについて話し始めました。
その時にはもう、先程ほどまで感じていた複雑な気持ちなど忘れていました。
だって、朝露さんとの
この時間が今の僕の幸せだから。
___________________________________________
17話読んで頂きありがとうございます。
花さん、、、なんか今後色々ありそうですね。
いつになるかは分かりませんが。
その時古巻が花に何を伝えるのかな、楽しみです。
ついに1万PV超えました。ほんとにありがとうございます。これからももっと頑張っていけるよう努力していきますのでよろしくお願いします。
そしてこれからもこの作品をよろしくお願いします。
実は、なんかこのお話にも通称?縮小された題名がないかなと考えています。
何か良い呼び方がございましたらコメントしてくれれば嬉しいです。もし、複数候補が上がってきた場合皆様に聞くかもしれませんのでその時もお付き合いしていただけたらなと思います。
では、コメントお待ちしております。
来てくれたら、嬉しい、、、
誤字脱字などの報告もありましたらコメントよろしくお願いします。これからの成長に役立たせていただきます。
レビュー、小説フォロー、応援などもして頂けたら嬉しいです!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます