朝露視点

第16話  10月9日 私はとても単純なんだ。

今日は10月9日水曜日1時間目の途中です。


私は朝の図書室のことを思い出していました。


…………昨日はまさか古巻くんに告白を見られているとは思っていませんでした。多分古巻くんじゃなかったら怒ったと思います。怒ると言うか最低だなと思いクラスメイトでも関わるのをやめます。ですが古巻くんに対しては怒りを感じることも呆れることもなく逆にホッとしている顔を見て少し嬉しくなりました。


そして昨日、2人の秘密のルールに2つ、新たなルールが追加されました。


1つ、朝の登校は一緒に登校する。

2つ、放課後は帰れる時は家の最寄駅から一緒に帰宅する。


少しでもラノベのことについて話したいと言う趣旨で決まりました。


そして今日、図書室での話です。

私は古巻くんに借りていた、髭剃ったサラリーマンは女子高生を○うと言う内容の作品を読み終え、返しました。感想はと言うと……とても面白かったです。

内容も面白いだけではなく感動しました。こんなに良い作品に出会えるとは、本当に古巻くんと友達になってよかったと思いました。

本を返してから今日は引き続きこのお話を話すことにしました。まず初めに聞いて驚いたことは、この作品はラブコメだったことです。とても驚きました。もしかしたらと思い聞いたら他にもこう言った名前のラブコメはあると言っていました。家に帰ったらもう一度この出版社を調べて、買ってないラブコメを買おうと思います。「じゃー次、朝露やってくれ」

結局今日の30分は全部、通称「髭○ろ」のお話となりました。5巻で終わってるとのことだったので今月までには全巻買って読もうと思います。そしたらもっと「髭○ろ」についてお話ししたいです。


「おーーい朝露ーー」


「あ……はい」


……私は昨日の古巻くんと同じように思い出にふけてしまったようです。とても恥ずかしい。


「珍しいな。朝露がボーッとするなんて、

勉強のし過ぎじゃないか?少しは休めよ」


怒られるのかと思ったら、逆に心配されました。それはそれでやっぱり恥ずかしかったです。


先生が授業を再開したところで、チラッと古巻くんを見てみました。すると古巻くんと一瞬目が合い、すぐに離されてしまいました。私の頭の中に、……もしかしたら嫌われてしまったのかっと不安が広がります。

不安になりながらも古巻くんから前に視線を戻した時、スカートのポケットに入れているスマホのバイブレーションがなりました。こっそりと見てみると、


―――――――――――――――――――――


「古巻」『昨日の朝露さんのセリフそのまま

     お返しします』


―――――――――――――――――――――

と言うメッセージにプンプン怒っているアニメのキャラスタンプが送られてきました。


私はどうにか笑いを堪えて、古巻くんをチラ見すると古巻くんも少し笑っている様子でした。なので、古巻くんに あっかんべー をしているスタンプを送るのでした。






昼になりました。私はいつも通り1人で昼ごはんを食べます。お弁当は冷凍食品などを使うと負けてしまった感じがするので全て私で作るようにしています。

自分で自分の弁当を美味しいと思いながら食べていたら、古巻くんと確か古巻くんの幼馴染だったと思う市川さんと新庄さんが話をしているのが耳に入ってきました。



「おい翔斗今日こそ遊びに行こうぜ」


今話したのが確か市川さん。


「そうだよ翔斗、今日こそ行くよー」


次に話したのが新庄さん。

彼氏がいるのに古巻くんにも距離が近いんですね。……ま、まったく不誠実です。


2人の誘いに対して古巻くんはとても悩んでいました。

古巻くんが何に悩んでいるのか2人は分からず、

「おい〜なんで悩む必要あるんだよー」

「そうだ〜そうだ〜」

と声を上げます。


…………行けば良いのに………


私は少しだけ顔が熱くなるのを感じました。

古巻くんが何故2人の誘いに悩んでいるのかわかるからです。

少し悩んだ末、古巻くんは、「少し考えるから待ってくれ」と言って2人を追い払ってしまいました。


そしてすぐに私のスマホに古巻くんからメッセージが届きます。


―――――――――――――――――――――


「古巻」『あのーすいません朝露さん……』


―――――――――――――――――――――


私はすぐに返信をします。


―――――――――――――――――――――


「朝露」『ごめんなさい私3人の話し聞こえて

     たんです。全然私のこと気にしなくて

     いいので行ってください。

     この間は、私を優先してください

     ましたし、夜に連絡すれば

     いいだけなので。』


―――――――――――――――――――――


っと古巻くんに送りました。

……本当はもっと古巻くんとラノベの話がしたいと思っているのに。


―――――――――――――――――――――


「古巻」『わかりました。なら今日は友達と

     遊ばせてもらいます。

     そのかわり今日は21時から

     話しませんか??』


「朝露」『わかりました。それでお願い

     します』


―――――――――――――――――――――



こうして、今日の放課後の予定が決まりました。




私は先程まで一緒に帰れないこと、ラノベの話が今日はできないことでテンションが下がっていました。

ですが、古巻くんの、たった1つの提案。

1時間、いつもより夜話を長くする。その提案だけで、私のことを考えてくれていると思えて、先ほどよりもテンションが上がっていることに気がつきました。


そして私は気がつきました。


     私はとても単純なんだ、と。


___________________________________________

16話読んで頂きありがとうございます。


なんとあと少しで初の1万PVほんとに嬉しいです。これも読んでくれる皆様のおかげです。

ありがとうございます。



今日はこれで更新は終わりです。明日は3話更新できたらいいのですが、、、

がんばります。


朝露さんはどんどん素直に、自分の気持ちを出して行くような気がしますね。

いや、最初から出していたのか。

これからは古巻くんと朝露さんの会話だけでなく他の人たちとの会話も増やしていこうと考えていますので、その時にどれだけ朝露さんが他と距離をとっているのかわかっていただけたらと思っています。


誤字脱字、感想、ご指摘、などのコメントお待ちしております。

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