第138話
あんなに頑丈にしていたパンドラの箱の鍵が開かれた。
俺の考えた合言葉に辿り着ける可能性のある人物は2人しかいない。
ただ、それは俺のリスナーに限る。
なぜならば、合言葉は、奏のLINEのIDだからだ。
俺のリスナーで奏のLINEを知ってるのは本人とハルちゃんだけだからだ。
奏が俺のリスナー以外とLINE交換していて、俺と奏のことを知ってる人物がいたなら話は別だ。
つまり、犯人は奏とLINEを交換している人物しかいないのだ。
なぜパンドラの箱が開かれたのが解ったかというと再生回数がカウントされるからだ。
残念ながら誰が再生したかまではわからない。
ただ、配信アプリを消していたので見ることが出来ないからハルちゃんの可能性は0だった。
だから、奏本人か奏がLINE交換している誰かしか居ないのだ。
しかも、奏は俺との関わりあるものは全てブロサクしていたので選択肢は1つに絞られた。
となれば、俺と奏の関係を知っていて奏とLINE交換している人物となる。
俺が奏の元彼って知らないまでも、俺の存在を知っているとすれば、奏のリスナーぐらいしかいない。
俺と付き合っていたときは大喧嘩して以来、誰とも交換していなかったので、別れてからリスナーの誰かと交換したんだと思った。
今までならショックを受けていただろうが、奏での配信を聞いて呆れていたし交換していたとしても驚きはなかった。
しかも、俺のことをわざわざ探ってくるなんて奏でのことが好きな奴か彼氏だろうとある程度予測できた。
数日後、犯人らしき人物から連絡が来ることになるとは思いもしなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます