第137話
ここまで強烈な喪失感に襲われる経験がなかっただけに、急激な自分の心の変化にかなり戸惑っていた。
たまに、まるで心にぽっかり穴が開いたような感じって聞くことはあったが、理解できなかったし「俺がそんななるわけないやろ」って思っていた。
しかも、言い方悪いが、たかが彼女と別れただけでだ。
そんな俺がこんな感情になるなんて全く考えたこともなかったが現実は違った。
奏を失った悲しみや孤独感もあったが、信じて愛していた奏の配信中の言動にむなしさや苛立ちも混ざり合って複雑な感情だった。
本当は色々と本人に確認したかったし俺の今の奏でに対する気持ちを伝えたかたっが、俺はこれ以上奏に迷惑はかけたくないと連絡を取るのを我慢していた。
ただ、心の中だけで留めているだけではあまりに辛過ぎて秘密のアカウントでツイートしまくっていた。
さらに、合言葉配信にして音声で気持ちを残した。
合言葉配信とは、配信者が決めた合言葉を知らない人間は誰一人聞くことが出来ないのだ。
つまり俺が誰にも合言葉を教えない限り聞くことが出来ない鉄壁の鍵がかかったパンドラの箱状態だ。
しかも合言葉は、名探偵コナンくんでも絶対に見抜くことの出来ない程、いくら探っても絶対に辿り着けない完璧なキーワードを設定した。
そんなパンドラ箱が何物かに開けられる事件が起きる。
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