第131話
俺は、よりを戻したいとかよりも奏と連絡取れなくなるのが嫌だった。
奏は「うちからのお願い、イラストは折角ここまで頑張ってきたんやし辞めずに続けて欲しい」って言った。
確かにコツコツと頑張って仕事には繋がらないまでも徐々にフォロワーも増えていたし、冷静に考えれば、奏と別れたからといって簡単に消すには惜しいぐらいのアカウントだった。
ただ、このときは「奏が傍で応援してくれないのに描く意味がない」と冷静な判断が出来ないぐらい精神的に追い込まれていた。
あくまで個人的な考えだがイラストなど描くときの精神状態ってかなり影響される。
自分の場合、特に色彩に顕著に現れるので、今描いても上手くいかないと思っていたので余計に描く気にならなかった。
だから素直に「応援して欲しい」と伝えた。
「応援するって?」「いいねとかリツイートしてくれるだけで十分やで」
「考えとくわ」とハッキリしない返事だった。
無理も無い。いいねやリツイートするためには外しているフォローをフォロバーするかその都度検索するしかないからだ。
そう奏は俺のSNSの全てをフォロー解除していたのだ。
とりあえず一通り話しおえたので通話を切ることにしたが最後に「ハルちゃんがめちゃくちゃ心配してたからちゃんと連絡してあげなよ」って言われたので「わかった」って返事をして切った。
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