第7話

いつも通りエミーの配信を聞いているときに、突然DMが問題で今までなかった俺の感情に変化が現れた。

一人のリスナーがエミーに「今DM送ったから見て」ってコメントしたのが目に入ったのだ。

個人的な話は個人間でやり取りをしろって考えの俺がいざその光景を目にした途端、初めて何とも言えない感情が溢れ出てきた。

当然、沢山の中の1リスナーだった俺がエミーにDMなんて送ったことなどないし送ろうと思ったことさえなかった。

この感情がやきもちなのか何なのか本当にわからなかった。

なぜならエミーのことをほとんど何も知らないからだ。

声以外、配信上の名前と関西地方住みこれだけしか知らない女性を好きなるとか、もちろん今までの恋愛経験で一度もないし想像さえしたこともなかった。

確かにエミーの声は、俺の苦手な妹キャラやハムスターキャラ的なアニメ声でもなかったし女性特有な甘えた声質で好きな声だった。

さらにエミーの「わかった、ちょっと待って今見るね」の言葉が覆いかぶさるように襲ってきた。

カレカノが「今度この店行かない?」「どこどこ?」「今画像送ったよ」って通話しながら画像を送り合う会話のように感じてしまった。

しかも、エミーの「今見るね」の後ろにハートマークが付いてるように俺には聞こえてエミーの返事の仕方にイラついてる自分がいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る