第6話

配信アプリ「ツイルーム」には、「ツイツイ」と言うアプリを連携することができ、配信者の設定にもよるが個人間でDMのやりとりが出来るのだ。

だから、こんな所でコメントするぐらいなら、DMでしてくれと思ってしまうのだ。

当然、配信者によって違うのだが、全部のコメントを丁寧に返すタイプと自分の中で読む読まないを瞬時に判断するタイプがいる。

もちろん閲覧数が多いとコメントが流れるスピードが半端ないため読めない場合もある。

エミーは全てのコメントに対し全部丁寧に返す配信者でキラコメに対しても一つ一つ返すタイプだ。

俺がイラッとするのは、例えば、みんなで映画の話をしている時に、映画が全く関係ないキラコメがあると、一旦話が中断してしまうからだ。

一昔前で言えばKYってやつだ。

でも、配信者からしたらガチ恋は有料アイテムを投げてくれる確率が高いため有り難い存在なのだ。

だから、様々なコメントをいかに上手くさばいていくかは配信者の力量にかかっている。

その点で言えば、エミーは天性なのか仕事柄なのかその場に居るリスナーがなるべく不快にならないよう上手く回していた。

エミーのそんな部分も好きで俺は聞きに来ていた。

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