第2話

エミーの配信時間はいつも0時を超えて始まる。

だから僕は勝手に夜職だと思ってた。

時間的にもそうだったし、コメントを返す彼女のトークは神がかったものがあり、どストレートな下ネタも簡単に軽くあしらうし、時には男心をくすぐる様な返しをするからだ。

喋りのプロフェッショナルだからこそなのか言葉のチョイスとサービストークで、草食系や肉食系男子、学生、社会人、チー牛などあらゆる男性を虜にしていた。

コメント欄には、ストレートにエミコちゃん好きとか彼女になってとか可愛いなどキラコメと言われるコメントが溢れていた。

エミーはそのコメをうちも好きやでとかうちでホンマにいいの?とかガチ恋勢が喜ぶであろう返しをあえて甘えた声で返していた。

俺はそんな会話を恋愛経験の少ない男性なら間違いなく勘違いするだろうなぁって思いながら聞いていた。

いつもなら何この計算女って思うのだが、時折見せる不器用な部分が引っかかって完全に悪女と思えなかった。

配信を聞く回数が増えるにつえ余計にそう思えてくるのが妙に不思議だったが、その感覚が何なのか突き止めようとするまでには至らなかった。

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