第18話 折原璃子2

「お母さん、この街にはいなそうな気がする」


「そう・・・引っ越しても良いけど・・・・」

「おばあちゃんと一緒にいてあげたいし」

「どうしようかしらね・・・・」


「私、美容師さんになりたい」

「専門学校に行ってもいいかな?」


「美容師さん?」


「うん」


「そうね、いろんな人に出会えるし、良い職業かもね」


「でしょ?笑」


「うん、じゃあ学校探してきなさい」

「・・・・でも・・・東京はやめておいたほうが良いかもね・・・」


「そっか・・・」

「うん、わかった」


東京がダメな理由は、おそらくお父さんの件なんだろうとすぐにわかった。

お母さんは、私の苗字を折原からお母さんの旧姓の桜井に変える方法も探し出した。


大阪の専門学校に行くことにした。

大阪にもお父さんの知り合いがいて、いろいろお世話をしてくれるみたいだった。

お父さんは・・・・

確かに一般的には良くない人だったかもしれないけど、私やお母さんには優しい最高のお父さんだった。

死んでしまった後もこうやって私たちを助けてくれる。


私たちは、見た目だけで遺伝子を選んでいるわけではないと思う。

見た目は最低条件かもしれないけど笑


新谷くんは、初めは全く興味を持てない人だった。

でも、最近・・・・・

井澤くんが死んじゃってから、新谷くんは変わった。

目の輝きも、匂いも、どんどん素敵になってきた。

それでも違うって言う事はわかるけど。


大阪で運命の人に出会えるんだろうか?

そんな不安もあるけど、それでも信じていろんな人に会って、セックスをするしか私は幸せを手に入れることはできない。

不安もあるけど、楽しみでもある。

人間だって、きっとそうやって生きているんだと思う。

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