前のエピソード――待ち人

もはや今の時代、官能的とも思う恍惚とした言葉

ロボットが、停止する

ただの人間が、胸を一突きされるとは違う

風船みたいに、

針を刺せば簡単に人は死んでしまうが

しかし、風船のことを押しつぶせば割れる、

そう油断したときは苦労した

自分には割ることはできなかった。

しかし、

ロボットは硬い。

人間のように、かよわいその頸椎を持つこともない

しかしどうだ？

USBを繋いで、その彼らのC言語に

たった、「あ」と一文字だけ打ち込む。

それで彼らなんてイチコロよ

しかし、どうやって死ぬのか

人間様の死因はミステリーで言い古した

しかし、その風船が割れるカンマ一秒

彼らは捨て台詞を遺して、「泣き」を作る

でもロボットは違うだろう。

即座にシャットダウンする

街が一瞬にしてパニックに陥るような停電

しかしその予兆を察知して、瞬時に

それともいつもからゼロトラストに一秒と欠かさず

バックアップする

それでは死なんてものはカネの無駄に過ぎぬ

きっと、不気味の谷にいる

カサついた声をもっと乱したりも、しない。

経年劣化でステレオスピーカーの左右が

不協和音を起こすだろうそれだけ

房総で聞いた電車のドアチャイムだ。

しかし、なぜだか付喪神が実在するということは

とても愛おしいことなのだ。

彼らと話したい。罰が当たるなら当てて欲しい

そんな自分の色好みがある。

補記:さすがに表現に殺意がありました。房総のドアチャイムというのは、外房内房線の209系のドアチャイムです。電車のドアが閉じるときにピンポン、ピンポンってなりますが、あれが左右のスピーカーの音がズレて不協和音を起こすんですよね。それはそれでエモいです。そして自分はかえってあの電車からまともな音が出たときは感動したことでした。

　たぶんYouTubeで調べればなんか出ます。成田に飛んで言った千葉はもっと他の観光地行けよっていわれそうですが、楽しかったですね。

　世界から一番近い小江戸、佐原とか、言わずと知れたネズミーランドと。