曇り空
あれはなんて恐ろしい空でしょう
晴れることも知りません
そして雨が降ることも知りません
自分が生まれて、
空はずっと曇りでした
ある時、
そこに穴があいて、でも太陽は見えない
そう、雲のない快晴なんて一度も来ませんでした
夜のうち、静かに僕の目を盗んで晴れるのですか?
ある時、
雨が振ります
厳しい寒さで
涙も凍るものでした
それでも、ヒョウは降らない
あんな恐ろしい弾丸が悲劇的にそして幸運に
自分の脳をサッと貫く
そんなことはありませんでした
それがどちらに傾こうが、
トーキョー・ダモイでしかない
もう信じられやしないのです
でも、自分はある時、
先生に言われました
ドイツの空はまさにそんな風に
完全に晴れたりなんてしないのよ、と
いつも曇ってるから、
それは優柔不断だけどね、と
また、自分はヒョウが降らないことを
先生にお恨み申し上げました
ごめんね
辛いかもしれないけどあなたには降らない
そして、もし降っても、頭を打っても
あなたは生きていける
そう言われました
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます