第14話
一年前の冬、このコールセンターに入った時には同期が十八名ほどいたから、休憩時間に何度か周りを誘ってトランプやUNOをしていた。
もっとも誘ったのは私ではなく真由だけれど。
席は四人~痩せている人なら六人は座れそうな地上二十三階から外の景色が眺められるボックス席、二人用のテーブル席、一人用のカウンター席には充電できるコンセントが各席ごとにある。
まだ使ったことはないけれどマッサージチェアも三台ほど完備されている。
職場見学で訪れた時にはあまりの充実ぶりに息を呑んだ程だ。
その休憩室に足を踏み入れるといつもより朝から賑やかだ。
あるテーブル席に十人ほどだろうか、見知った顔も群がっている。
「すごいよねー、いや初めて見た時から陸は何かやらかすと思ってたんだよね」
「それじゃあまるで俺が犯罪でも犯したみたいな言い方になってるから」
どっと笑いが起きた。
「お祝いしなきゃね」
「成功の秘訣を教えてもらいたい!」
口々に聞こえてくる会話はうるさいほどだ。
一体何があったのだろう。
少し気にはなるけれど職場関係で何かあったのならば近いうちに私の耳にも入ってくるだろう。
私は空いているカウンター席を見つけると、無料のコーヒーを取り、そそくさとその場所に腰掛けた。
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