第13話

それもそのはず大きな楽しみを一つ見つけたのだから。



子供の頃から寝坊助な私が目覚めがいいのは助かるが、仕事に行く前からすでに帰りたいと今感じているのは困る、まだベッドの上だというのに。



スマホには優斗さんからのメッセージがきていた。




【独身だったらやはりお相手も独身の方がいいですよね。

では、明日お写真とメッセージお待ちしてますね!

おやすみなさい】



朝起きてメッセージが入ってるだけで、こんなに嬉しい気分になれるなんて。



勢いをつけて布団を剥ぐと私は室内でも感じ取れるほどの、一月のどんよりと寒々しい冬の空気とは裏腹の浮かれた気分で、出勤の準備を始めた。



会社にはいつもより十五分ほど早く着いた。



今日は朝のロッカールームで真由には会わなかった。



コーヒーでも飲んで一息つきながら、優斗さんにメッセージを返そうと休憩室へ向かった。



百五十人ほどが働くうちのコールセンターでは広々とした綺麗な休憩室が用意されている。



テレビが置いてあり、無料のお茶にコーヒー紅茶、上の人からの差し入れで大量にチョコレートやクッキーといったおやつが置いてあることもある。



私たち以外にあまり休憩中にそれで遊んでいる人を見たことがないが、トランプやUNO、オセロも置いている。



懐かしい。

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