第108話 鳴り止まぬタルルコール

「と、特別ゲストの立花ルルです みなさん、私が特別ゲストですいません」

俺が通話に参加して声を出すとみんなが声をあげる

「タルルちゃん!! やったーー

タルルちゃんと一緒!」

大喜びするナユタさん

「タルルは絶対に来るって信じてた」

シノさんが凛々しく呟く

他のメンバーも喜び歓迎してくれた

タルル待ってた! タルル推しだから助かる! タルル居るとてぇてぇ配信になるから期待

と、リスナーさん達も喜んでくれたみたいで一安心をした

「ということでサーシャちゃん以外のVライバーが全員集まっての放送となります! みんなでサーシャちゃんを応援しよう!」

マナさんの掛け声に続いてみんなで声をあげる

「おぉ!」

それからサーシャさんの放送が始まるまでの間、全員で雑談をして盛り上がっていた

そしてついにサーシャさんの復帰配信の時間になった

みんなが見守る中、サーシャさんの放送が開始される

マナさんの枠でもサーシャさんの放送画面が表示された

サーシャさんの2Dモデルが表示された途端、多くのおかえりのコメントが流れる

「みんな、10日間もの間連絡もせずにみんなに心配をかけてしまってすいませんでした」

開口一番に謝罪をするサーシャさん

「言い訳になってしまいますが今回の音信不通になった経緯を説明します

アカツキさんの放送を観た人は知っていると思いますが、アカツキさん本人から全て話して構わないと言われたので全て話します」

サーシャさんがアカツキとの件を詳しく説明をする

それを聞き怒りを口にするリスナーとVライバーメンバー達

「みんな、私の為に怒ってくれてありがとう、でもね、もういいの 辛くて逃げていた私をある人が救ってくれたんだ その人が動いてくれたおかげで全てが解決したの」

そう説明するサーシャさんの顔は何故か赤くなっていた

そんなヒーローが… ま、まさか…

俺、1人だけ心当たりが…

そんなイケメンな事をするVtuberは彼女だけだろう

サーシャさんの放送だけでなく、マナさんの放送内でもリスナーさん達とVライバーメンバーが1人のVtuberの名前を挙げていた

「絶対にタルルちゃんだよ!」

ナユタさんが叫ぶ

「私もタルルちゃんだと思うわ」

続いてマナさんが言う

「タルルしか思い浮かばない」

シノさんまでも俺の名前を出し、他のメンバーも俺の名を叫ぶ

「み、皆さん落ち着いて、サーシャさんが続きを話しますよ!! 静かに聞きましょ!」

名前を叫ばれ恥ずかしくなった俺はみんなにサーシャさんの放送に集中するように語りかける

みんなが静かになった頃にサーシャさんが続きを話し始めた

「みんなが想像している人で合ってると思うよ、私を救ってくれたのは立花ルルちゃんです! タルルちゃん本当にありがとうございました!」

それを聞き納得する一同

流石は我らがタルルだぜ タルル…サーシャを救ってくれてありがとう

俺はタルルを一生推す!

「タルルちゃん、ますます好きになっちゃった! サーシャちゃんを助けてくれてありがとう!」

ナユタさんがそう言うと続いてマナさんとシノさんがお礼を言ってきた

「サーシャちゃんの件、本当にありがとうタルルちゃん」

「流石はタルル ありがとう」

みんなに感謝の言葉を言われ嬉しいけど恥ずかしい

タルル! タルル! タルル!

コメントだけでなくVライバーのみんなが俺の名を叫ぶ

この状況どう反応すればいいんだ!?

ここで私は何もしてないとか言っても今更だし…

「みんな聞いて! 私はねVライバーのみんなが大好きなの! 大好きな物を守るのは人として当然のことだよねつまり、そう言うことなの!」

我ながらなにをいっているのだろうか

自分の言葉を思い返して悶絶する俺

「タルルちゃんがかっこよすぎて辛い… みんな!タルルちゃんコールしよ!」

ナユタさんの合図でみんながタルルコールを始めた

タルル! タルル! タルル!

「恥ずかしいからもうやめて!!」

俺の叫びはみんなのタルルコールにかき消され、タルルコールが止むまで恥ずかしかに耐える修行をすることになってしまった

その後、無事にサーシャさんの復帰配信は終了

マナさんの放送も終了の流れとなり挨拶をして放送が終了した

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