第103話 人気男Vtuberアカツキ
自宅に着いて俺は自分に出来る事全てをやった
電話したり着替えたりで大忙しだったが不思議と悪くない気分だ
誰かの為に頑張れる事がとても嬉しかった
雫姉の分の食事を作りリビングの机に置いてLineにメッセージを書き込む
「お仕事お疲れ様、夕飯は作って机に置いてあるので温めて食べてね 少し出掛けます」
よしこれでやる事は全てやった
後はサーシャさんを待つだけである
17時半になりサーシャさんが家にやって来たので共に集合場所に移動し、アカツキさんが来るのを待っている最中にサーシャさんが心配そうに聞いてきた
「ほ、本当に大丈夫?」
「大丈夫です、サーシャさんは見ていてくれるだけで良いですからアカツキさんが来たら教えて下さい」
俺がそう言うとサーシャさんは少しだけ安心したような顔をしてくれた
「サーシャちゃん!!」
こちらに向かって手を振りながらブサイクな男が近づけてきた
格好は高そうな服を着ているんだが似合っていないと俺ですら思ってしまった
「ひっ」
サーシャさんが男を見た途端、俺の後ろに隠れて上の服を掴んできた
彼の存在がサーシャさんにトラウマを植え付けてしまったのだろう
アカツキが俺の前まで来た
「なんで隠れるんだい、俺の君の仲じゃないか! それで君は?」
俺を睨みつけて言う
さて始めるか…
「初めまして!Vライバー所属の新人Vtuberの立花ルルを演じている者です! 今回はサーシャさんに頼んでこのような機会を作って貰いました!これからよろしくお願いします!アカツキさん」
俺はそう言った後にお辞儀をした
「そ、そんなの聞いてない! 今日はサーシャちゃんから大事な話があるって書いてあったから来たんだ! サーシャちゃん!どう言う事!?」
激怒するアカツキの声に後ろに隠れているサーシャさんの手が震え出す
「落ち着いて下さいよアカツキさん
とりあえずこれを見て下さい」
そう言って俺はスマホの画面をアカツキに見せる
「こ、これ…」
アカツキは俺のスマホを見てから明らかに動揺を見せ始める
「ここに書かれているのは引退した女Vtuberの名前です 不思議なんですけどここに書かれている人たちって全員がアカツキさんとコラボをした後にすぐに引退しているんですよねー 不思議ですねー、掲示板でも一時期噂されていたんですけどアカツキさんが何かしたんじゃ無いかって」
これは俺がリスナー時代に推していた
Vtuberがアカツキとコラボしてすぐに電撃引退をした時に調べていた時に出てきた噂だが俺はサーシャさんの話を聞き確信に変った
相手は人気No. 1の男Vtuberで父親はその組織の社長、戦うことなんて普通はしない、今後の活動に関わる可能性もあるからな
「そうやって人気のVtuberを減らしてきたんですか?」
俺が睨みながら聞くとアカツキが一歩後ろに下がって叫ぶ
「ち、違うんだ!」
「違う? 何が違うんですか? 次はサーシャさんを引退まで追い込もうとしていたんですよね?」
俺はアカツキに詰め寄る
「違う、俺はただ、好きになった相手にアピールをしていただけなんだ!」
「アピール? 親と自分の立場を利用して相手を脅すことがアピール?」
自覚無しなのか
「脅した事なんて一度も無い!」
自分は悪く無いと主張するアカツキ
そんな時に見知った人が俺達に近づいて来ているのを確認して俺は言った
「では貴方のお父様に判断して貰いましょうか」
「は? 父さんがこんな所に来るわけ…」
「詳しい話を聞かせてくれ」
「父さんがどうしてここに!?」
アカツキの後ろからスーツ姿の長身のダンディな男が声をかけて来たのだ
その隣には薫子さんの姿もある
俺が事前に薫子さんに連絡した際にVダンの社長とは友人だと聞き助っ人を頼んだのだ
その場に崩れ落ちるアカツキ
これが俺の最終兵器である
さあこの戦いを終わりにしよう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます