第90話 清々しい朝のはずが!?

チュンチュン

外の鳥の鳴き声で目が覚める

昨日は凄く楽しくて部屋に戻るなりすぐに寝てしまったみたいだ

俺は体を起こし右手を横にベッドの横に置く

ぽよん

凄く柔らかい何かに手が弾き返される

「きゃ、タルル大胆///」

俺は重い首をゆっくりと動かし真横の声をした方を見る

「おはよ」

俺の横にパジャマ姿のシノさんが寝ていた

え!?

お、俺っ、や、やちゃった!?

これって朝チュン!?

俺は昨日の寝る前の事を思い出してもそんな記憶は無い

「し、シノさん、もしかして俺達…」

俺が言おうとするとシノさんが俺の唇を右手人差し指で押さえてきて続けられない

「それは野暮、言わなくてもこの状況が真実」

シノさんが真顔で言ってくる

つまり、そう言う事ですか!?

あまりの急展開に周囲に助けを求めたいが誰もいない

そんな時だ

コンコンとノックと共に声が聞こえてくる

「シノちゃん、タルルちゃんまだ起こせないの? 朝ごはん出来たって」

ナユタさんの声だ

俺はすぐに助けを求める

「ナユタさん!助けてください!」

俺の声を聞きナユタさんが扉を開けて部屋に入ってくる

「どうし… アウトーーー」

ナユタさんの叫びを聞きマナさんと雫姉が部屋に駆け込んできた

「ナユたん!どうし… なるほどね」

「昨日はお楽しみでしたね」

俺とシノさんを見て呆れるマナさん

そんな状況を見て笑う雫姉

「お、お楽しみ!? タルルちゃん、説明して、シノちゃんとやったの!?正直に言って!!」

俺のパジャマの胸ぐらを掴み揺すってくるナユタさん

凄く怖い、恐怖と後悔で涙が流れ落ちる

「まあまあ、ナユたん落ち着いて」

ナユタさんをマナさんが止めてくれる

「シノちゃん、悪戯も程々にね、ほらタルルちゃん泣いちゃってるでしょ」

その言葉を聞きナユタさんとシノさんがハッとしてこちらを見る

「た、タルルごめんなさい 何もしてないから安心して欲しい!」

土下座をして謝るシノさん

「タルルちゃんごめんなさい…嫌いにならないでーーー」

泣きながら俺に縋り付くナユタさん

そしてそんな2人の態度の急変さに驚き涙すら止まって固まる俺

「朝からごめんねタルルちゃん、これはドッキリなの…」

マナさんが両手を合わせて謝ってくる

「発案者は私なの… ご、ごめんね

お姉ちゃんを嫌いにならないで…」

その場にしゃがみ込み泣き始める雫姉

なにこれ

誰かこの謝り合戦を止めてくれ!!

「何でもしてあげるから許してよー」

ナユタさんのその言葉を聞き俺はある事を思い付いた

「今、何でもっていいました?」

俺は作り笑顔でナユタさんに聞く

「い、言いました」

俺の作り笑顔をみてナユタさんが震え始める

「皆さんも同罪ですからなんでもしてくれますよね?」

他のみんなにも聞く

「「「は、はい」」」

みんなの了承を得て俺はますます笑顔で言う

「いやー、今日も楽しみだなー、皆さん夜まで帰しませんから」

その言葉を聞き震え上がるみんなを置き俺は部屋を出るのだった

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