第91話 先手必勝

朝食を食べ終えてみんなに出掛ける準備をして貰っている

朝から色々あったがみんなに言うことを聞かせられる良い機会だ

みんなを俺のお気に入りの場所に連れて行こう

Vtuberを始めてから色々忙しくてそのお気に入りの場所には数ヶ月行けていないからどんな変化があったか楽しみだ

みんなを連れて道を歩くと凄く注目を集めている

「凄く視線を感じません?」

俺が他のみんなに聞く

「それはこんなメンバー揃って歩いてたら注目されるわよ勿論タルルちゃんも含めてね」

マナさんが俺の横に並びながら言う

こんなメンバーの中に1人だけ男はやばいと思い俺は女装している

「ね、ねえあの男の人5人組がこっち向かってきてない?怖い…」

ナユタさんが俺の後ろに隠れて上着を掴んできた

確かにこっに向かってきている気がする

俺はその中の1人に見覚えがあった

以前ナユタさんとマナさんとのデートの日にナユタさんに声をかけていた

金髪のチャラ男が真ん中にいた

あのチャラ男がリーダーなのか?

男達が近づいてきた

男達が声を出す前に先手必勝、こっちから声を出す

「あ、お兄さん! 以前、縁結び公園で会いましたよね!」

俺は真ん中の金髪チャラ男に話しかける

「ヤスさん知り合いなんですか?」

隣の茶髪の男が金髪チャラ男に聞く

「き、君は… あ、あの時の!?」

女装した俺を見るなり顔を青くする

金髪チャラ男、俺の事覚えてたか

「覚えててくれたんですか!嬉しいです!では私が言いたいこと分かりますよね? この人達は私の大切な人達なので」

俺は目を細めて言う

「あ、あぁ お幸せにぃーー」

「や、ヤスさん!? 待ってください!」

「ヤスさん!!」

金髪チャラ男が走り去り他の男達も追って居なくなる

訪れる沈黙

「た、タルルちゃんカッコいい!」

ナユタさんが俺の後ろから前に出てきて言う

「流石タルルちゃんね!」

横にいたマナさんが左手の親指を立てながら言う

「言葉だけでナンパを撃退、流石は

タルル!」

シノさんが俺の肩を叩く

「こんなに逞しくなって姉ちゃん嬉しい!」

雫姉は涙を流して喜んでいる

みんなが無事で良かった

今回は相手があのチャラ男だったから良かったけど違かったら何かあったかもしれない

これから先、みんなが危機に面した時、今のままの俺でみんなを助けられるか?

絶対に無理だ、俺は大切な人を守れる力が欲しいとこの時初めて思うのだった

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