第88話 Twitterに晒される

「お邪魔します…」

雫姉の部屋に入るとみんなは丸い机を中心にして座っていた

机の上には大量のお菓子がある

これが女子会…!

「タルルちゃん、そのパジャマ似合ってるね!可愛いよ!」

「本当に可愛いわ、そうだ! 顔にはモザイクかけるからTwitterに女子会の写真投稿しない?」

「それ、いいと思う タルルが女ってアピールになる」

ナユタさん、マナさん、シノさんが次々に言う

「え!? 写真を撮って投稿!? 

は、恥ずかしいですよ///」

俺が恥ずかしがっていると雫姉が声を上げる

「みんな!」

雫姉!俺を庇ってくれるの!?

「そのまま写真撮るとタルルが実は まな板だって笑われるわ!」

そこ!?

そうじゃないんだよ!

「確かに! タルルちゃんの3Dモデルは巨乳ではないけどしっかり胸が有りますからね!」

ナユタさんがスマホでタルルを眺めながら言う

「安心して!こんな事もあると思って買っておきました!」

雫姉がドヤ顔である物を引き出しから取り出して見せてくる

黒色のブラジャーだ

どうして買った!?

「雫さん、流石です! 私もタルルちゃんには黒い下着だろうなって思ってました!」

マナさんが頷きながら力説する

「タルルは大人っぽい だから黒なの

納得した」

シノさんも頷く

「下着まで着てしまったら俺は男として終わってしまうから勘弁して下さい!お願いします!他の事なら何でもしますから!」

俺は土下座をしてみんなに頼み込む

「安心して!そんなことで軽蔑とかしないし!しっかり私が貰ってあげるから!」

「今だって女装してるんだから下着くらい問題ないでしょ!」

「往生際が悪い 諦めて着るべき」

「さあさあ、私が着せてあげるから

一旦部屋から出ようねー」

みんなに詰め寄られて逃げると壁際に追い込まれてしまった

詰め寄ってくる4人

「い、いや やめて こ、こないで 嫌だーーー」

部屋中に俺の叫び声が響き渡る

防音の部屋なので外には悲鳴は聞こえない

誰も助けてくれる人も居ない

俺は男として終わってしまったよ…

雫姉によってブラジャーを着せられてしまった…

「完璧ですね!これならモザイクされててもみんなタルルちゃんだって分かってくれますよ!」

「ぐすっ」

あまりの出来事に涙する俺の頭をマナさんが撫でてくれる

「よしよし、写真撮ったら脱いで良いからね」

「泣いてるタルルも可愛い これを知ったらみんなタル虐をしそう」

「タルルちゃんは私たちが守るから安心して!」

今、現在進行形に貴方達に虐められているんですよ…

「はい、みんな並んでー」

雫姉が正面に立ちスマホ構える

いつまでも泣いていられない…

俺は泣き止んで笑顔を作る

モザイクされても笑わなくては

「撮るよー はい、チーズ」

4人並んで写真を撮り終わりマナさんが加工してTwitterに投稿した

あぁ、俺の女装がTwitterで世界に晒されたーーー

どんどん伸びるリツイート数

リツイート数が増える度に俺は恥ずかしさが増して行くのだった

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