第87話 みんな来た!?

風呂に入り終わり俺はすぐに自室に逃げ込んだ

自室の為女装などは一切していない

ありのままの男の姿で布団に潜り込んだ

寝ていると思えば何もして来ないはず

するとすぐに扉がノックされるが俺は反応を返さないでいると扉が開かれる音がした

「寝たふりなんてお姉ちゃん許さないよ せっかく買ったパジャマ着て!」

雫姉が俺の被っている毛布を引っ張ってきた

俺を守っていた毛布が雫姉に奪われてしまったが俺は寝たふりを継続する

「これがタルルちゃんの素顔!雫さん! デジタルカメラで写真撮っていいですか!?」

ちょっと待ってなんでナユタさんも来てるの!?

「やっぱり綺麗な顔してる、さすが雫さんの弟さんですね!」

マナさんまで!?

ま、まさかシノさんは来てないよね?

「イケメン、なんで今まで彼女出来なかったの?」

来てたーーー

何で俺が今まで彼女出来た事ないの知ってるの!?

まずい、顔があつい

「写真撮って良いよ、この子はね自己評価が凄く低くてね、今まで他人を避けて生きて来たから」

雫姉が語っている

今までは自分に自信なんて持てなかったのは本当である、でもVtuberを始めてから少しずつ自分に自信を持てるようになってきた

「そうなんですね よし、この写真のデータをスマホに送って待ち受けにしよっと!」

「ナユたん、後で私のスマホにも送って!」

「私も欲しい」

「ふふっ、シノちゃんにも今度送るよ!」

「ありがとう あれ、顔がどんどん赤くなってない?」

「そろそろ寝たふりの限界が来た見たいね!さあ諦めて女装をして新品のパジャマを着なさい!」

雫姉が俺の顔にパジャマを押し付けてくる

「や、やめて下さい」

限界がきて口を開く

「イケボだ!」

「イケボね!」

「イケボ」

3人が俺の本当の声を聞き同時に言う

俺は押し付けられたパジャマを手に取り起き上がる

「イケボじゃないです」

「イケボでしょ!! 私の弟は完璧なのよ!」

雫姉が3人に向けてドヤ顔をした後、俺の右手を引っ張る

「さあさあ!女子会するんだから早く着替えて!」

「女子会やるよ!」

「今日寝かさないんだから」

「早く来て」

全員に引っ張られて俺は渋々起き上がる

「準備しますから先に雫姉の部屋に戻って待っていてください…」

結局こうなるのか…

みんなが出ていってから俺はパジャマを着てウィッグを被り雫姉の部屋に向かうのだった

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