第85話 みんなの期待

夕飯を食べ終わりマナさんの差し入れの苺をみんなで食べ、全員で片付けをして終えてから俺は自分の部屋に戻ってきた

夜の放送のをするためだ

みんなが泊まるって知ってたら事前に休みって伝えれたが急だったからやらざるを得ないため放送の準備中だ

今日は雑談配信なので準備する物もなく3Dモデルとマイクの調整だけだ

調整を終えて放送開始時間まであと少しというところで部屋の扉が叩かれる

「どうぞ!」

きっと雫姉だろう

入って来たのはVtuberの中の人の3人だった

「お邪魔します!ここがタルルちゃんの部屋! すー、はぁ 良い匂い」

ナユタさんが部屋に入って来るなり深呼吸をしている

「あれ?皆さんどうかしました?」

俺が聞くとマナさんが答える

「タルルちゃんの放送をここで見学したいのダメかしら?」

上目遣いで聞いてくるマナさん

「タルルお願い」

「タルルちゃんお願い」

その横で同じく上目遣いで言うシノさんとナユタさん

「皆さんに見られると緊張してしまいますよ… でも折角だから良いですよ その代わりに放送中にダメな箇所とかあったら終わってから教えて下さい」

そうお願いすると笑顔で頷く3人

3人が見守る中、放送開始時間となり放送を開始する

「みんなお待たせ!癒し系Vtuberの タルルこと立花ルルです!今日は雑談配信となってます、最後までお付き合い頂けると嬉しいです!」

挨拶を終えるとたくさんのコメントが送られてくる

1日に2回もタルルの放送見れて嬉しい! クッキー作ったよ!簡単なのに美味しかった! オフコラボ面白かったよ! 

みんなお菓子作り教室を見てくれたんだ

「みんな見てくれたんだ!それにクッキー作ってくれた人も居るなんて凄く嬉しいよ! 実は今日ね、放送部屋にオフコラボした3人が来てて私の放送を見守ってくれているんだ!先輩に見られてて緊張してます!」

そう言うとすぐにコメントが流れる

まじか! まさか今日はお泊まり!?

「正解! 今日は3人ともお泊まりだよ! 夕飯は手作りハンバーグを作ってご馳走したんだけだみんな喜んでくれて嬉しかったよー」

手作りハンバーグ!? タルルの手作りとか絶対美味いだろ、羨ましい

俺も食いたい!(泣)

「泣かないで!リスナーさんにご馳走できる機会があればいいんだけどね」

俺がそう言うとリスナーさんから

そういえばもうすぐVライバーフェスだよね

とコメントされる

Vライバーフェスは毎年ライバーの演者が全員参加で行われるお祭りだ 3Dライブやゲーム大会、グッズ販売、衣装の展示などが行われて多くの人が集うイベントだ 

会場では演者が考えたお弁当を買うことができる為、それを買うための行列が毎年できているのはネットニュースで見たことがある

そうか、俺もVライバーフェスに参加するのか

つまりリスナーさん達はそこでタルルの料理を期待しているって感じか

「うーん、私は参加初めてだからよくわかってないんだよね、私でもお弁当考えて販売できるのかな? 今度聞いてみるね!」

タルルの料理を食べれるかもしれないと期待するリスナーが多いみたいだ

明日にでも薫子さんに聞いてみよう

それから1時間くらい雑談をして放送を終えるのだった

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