第81話 聞いてない!

「皆さんお疲れ様でした!」

オフコラボ配信を終えて皆さんに挨拶をする

「タルルちゃんもお疲れ様!」

「お疲れ様、良い配信だったわね」

「お疲れ様」

ナユタさん、マナさん、シノさんが続けて挨拶を返してくれる

「16時近いですけど皆さんこの後の予定は何かあります? 良かったら夕飯食べていきませんか?」

みんなにそう聞くとキョトンとされる

「あ、言うの忘れてた みんな今日泊まるから」

雫姉が急に恐ろしい事を言ってくる

「え?泊まる?今日?」

俺は3人の方を見る

「雫さんに誘われて今日はお泊まりだよ ずっと一緒だね///」

ナユタさんが顔を赤くして言う

「聞いて無かったのね そう言う事なのよ」

マナさんが苦笑いをしている

「お泊まり、初めて」

シノさんは嬉しそうに体を左右に振っている

「そうだったんですね、だったら少し買い出しに行かないと!何か欲しい物とかあります?ついでに買ってきますよ」

「私も付いていって良い? お菓子色々見たいんだ」

ナユタさんがついて来たいみたいだ

「私は特に無いかな、気を付けて行ってきてね」

マナさんが手を振る

「私も特に無い、いってらっしゃい」

シノさんもこっちに手を振る

「最高の入浴剤よろしく!」

雫姉に頼まれる

「入浴剤ね、ナユタさん行きましょうか 皆さん行ってきます」

そう言いつつも自分が女装していることに気がついたがまあ良いか済ませる

いつの間にか女装に慣れてしまっている俺が居た

「行ってきます!」

ナユタさんと共にスーパーへ向かうのだった

商店街は多くの人で賑わっている

「人が多いですね はぐれない様に気を付けてください」

「う、うん」

多くの人とすれ違う中、突然ナユタさんが俺の後ろに隠れた

どうかしたのだろうか、俺は振り返りナユタさんの顔を見る

さっきまで普通だったナユタさんの顔が青くなっていた

「大丈夫ですか?どうかしました?」

「あの正面から歩いてくるワイシャツをズボンの中に入れていて太った眼鏡をかけた人とよくすれ違うの…」

怯えているのかナユタさんが小刻みに震えている

どうしよう、一度引き返すか?

でもそれだと何も解決しない

「ナユタさん、大丈夫 俺が付いてます あの人がストーカーか、それともナユタさんの勘違いかしっかりと知った方が良いと思います」

俺は後ろにいるナユタさんの右手を握る

「タルルちゃん… 怖いけど、タルルちゃんが居れば安心だね 私、確認したい」

ナユタさんが俺の手を握ったまま横に並ぶ

「雫姉にメッセージ送ってから商店街裏の細い道に行ってついてくるか確認しましょう」

俺は雫姉に今の状況を知らせてから

ナユタさんの手をひき裏道に移動する

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