第58話 タルル復活大作戦
「今日はタルルちゃんを復活させるためにVライバー全員が集まったよ!」
何で全員が集まってるの?
というか、タルルちゃん復活大作戦?
「タルルちゃんのお姉さんに頼んであるから、タルルちゃんがこの放送を見てくれてるよ! タルルちゃん!ナユタだよ!タルルちゃん成分が足りなくて泣きそうだよー」
今回は映像が固定されているので音声だけだがナユタさんが本当に泣きそうなのは聞いてて感じる
「みんなTwitterでハッシュタグ #カムバックタルル でツイートをして盛り上がっていこうね!」
マナさんの声だ
「みんなのメッセージをタルルに届けた?」
シノさんが問う
「お姉さんに届けてもらいました!」
コラボはしたことは無いもののチャットで仲良くしてもらっているスノウさんが答える
「さあ、今回はタルルちゃんに戻ってきてもらうために、ここにいる全員で1つずつタルルちゃんの好きなところを言っていきます! もちろん最後はタルルちゃんの事を大好きなナユタちゃんね!」
サーシャさん、それは逆効果ですよ
そこから語られるタルルの好きなところ
声から始まり
笑顔、可愛いところ、ツインテール、優しいところ
次はシノさんだ
「もちろん料理が美味しいところ 嫁に欲しい」
続いてサーシャさん
「私の次に歌が上手いかな、私の次にね」
次にマナさん
「そうねー、時折見せる子供っぽいところとか可愛いわよね」
最後にナユタさんだ
「タルルちゃんの好きなところ1つなんて選べないよ!全部好き!」
巻き起こる拍手
「流石ナユたん!」
「よっ、てぇてぇコンビ!」
てぇてぇコンビってなんだ!?
「次にナユタちゃんからタルルちゃんへの感謝のメッセージを語ってもらうよー」
「はい!読みます!
タルルちゃんへ 私とタルルちゃんの出逢いは運命的でした、私のピンチに颯爽と駆けつけてくれただけでなく、私に歩み寄って優しくしてくれたタルルちゃんを大好きになりました!
私達Vライバー所属の演者全員、タルルちゃん味方です、どんなタルルちゃんだって受け入れます もっと私たちを頼って下さい!」
それを聞いた時もしかして?と思った
どんなタルルちゃんだって?
雫姉をみる
「コラボした人達には教えちゃった
みんな受け入れてくれたよ、ねえ瑠夏、Vtuberにとって一番のサポーターって誰?」
「それはリスナーの人だよ」
「だよね、瑠夏が放送を休んでる間にその人達は何を思ったと思う?」
雫姉の怒った顔を始めてみる
「心配してくれた…」
「そう、しかも瑠夏はTwitterも更新しなかったからリスナー達がどれだけ心配したと思う?」
「それは…」
「これ見て」
「雫姉がスマホの画面を見せてくる」
それはタルルのチャンネルの画面
俺は目を疑った
「なんでチャンネル登録者数が…」
絶対に減っていると思っていた、それがどういうことだ
「55万人から60万人まで増えてる…」
減って当然のことをしたのだ、なのになんで
「Vライバーのみんなが枠内でタルルを心配するのが切り抜きで上がってその動画がバズって気になった人が登録したんだと思う」
「俺は…男なんだよ、それなのに…」
「手紙読んだでしょ?みんなはタルルの内面を好きになって応援してるんだよ さーちゃんが言ってた 一部の人が裏でなんて言おうとも目の前で応援してくれるリスナーを大切にすることがVtuberとして最も大切なことだって」
目の前のリスナーを大切に…
読んだ手紙のことを思い出す
みんなタルルの内面を好きだと言ってくれていた
「タルルを演じてた瑠夏は本当に楽しそだった! 私は瑠夏には笑顔でいて欲しいの! だから… タルルを続けて欲しい…」
雫姉が涙を流した
それを見るのは両親のお葬式以来のことだった
俺はなんて馬鹿なんだ…
俺は雫姉を抱きしめる
「雫姉を泣かせるなんて弟失格だね、俺は両親がいなくなった時に誓ったんだ雫姉の笑顔を守るって」
「る、瑠夏…」
雫姉が強く抱きついてくる
「続けるよ、Vtuber みんなにも謝んないとね」
「うん!」
雫姉が離れて笑顔になる
俺はスマホを手にして生放送にコメントをするのだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます