第54話 タルル不在のVライバーにて

タルルの無期限活動停止の突然の発表にはリスナーだけでなくVライバー所属の演者全員が衝撃を受けていた

詳細が何も語られていない為、それを気にした演者達が管理人室に押し寄せている

「タルルちゃんに連絡しても繋がらないしタルルちゃんの身に何かあったんですか!?」

「薫子さん!何か知ってるなら教えて下さい!」

ナユタとマナが薫子さんに詰め寄る

その間にタルルの姉である雫が立ち塞がる

「みんな落ち着いて、妹は無事です

この無期限活動停止は本人が決めた事なので私達からは何も言えません」

それを聞きほとんどの演者達は俯きながら部屋を出て行く

タルルという存在は他の演者達にも大きい物になっていたのだ

しかし部屋にはタルルとコラボをした

ナユタ マナ サーシャ シノの4人が残っていた

「さっき言った通り、もうなにも言えることはないの、分かって?」

雫が少し悲しそうに言う

「シズちゃん、正直に言ってよ 何かあったんでしょ? 私達、なにか力になれるかもしれないから教えてよ!」

サーシャが雫の両肩を掴み言う

「そうです!私達なんでもします!」

「そうよ!タルルちゃんにはたくさん助けてもらっているもの!今度は私達が助けるわ!」

「タルル…心配」

ナユタに続いてマナがそれに続いて

シノが言う

「みんなはタルルちゃんの抱えている重大な秘密を一緒に背負う覚悟はある? それを知っても今まで通りに接する事ができる自信はある?」

薫子さんが全員に問いかける

「薫子さん!? 何を言ってるんですか!」

雫が薫子に怒鳴る

雫が怒るのを見るのはここにいる全員が初めてだ

雫は温厚で激怒するのは今回が初めてであった

自分が弟をVtuberに導き、今までで

1番に楽しそうにしている弟を見ることができて嬉しかった、しかしそんな弟が今では毎日辛そうにしている

それは自分が招いてしまったことだと雫は思っている、もうこれ以上、弟を傷つけたくない

そのためタルルの秘密を語りそうな薫子に対して激怒したのだ

「雫ちゃん、貴方の気持ちは分かるのでもね、このまま時間だけ過ぎても何も変わらない 本人が自己嫌悪で悪化する一方よ!」

「そうだけど…」

雫が俯く

「ここにいるみんなにかけてみない?彼女達が最後の希望だと思うの」

この2人のやり取りを聞き4人はことの重大さを理解する

「私が何言っても駄目なの あの子を… タルルを助けて…お願い…」

雫が泣き崩れる

サーシャが駆け寄り雫を支える

「聞かせてください、タルルちゃんの抱える秘密を」

ナユタが一歩前に踏み出す

「もうタルルちゃん無しじゃつまらないものね」

マナも一歩踏み出す

「タルル… 私のお気に入り」

シノも

「シズちゃんを泣かせて、喝入れてあげなきゃね」

サーシャもやる気だ

そして語られるタルルの秘密

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