第50話 天然たらしタルル

「最初は私のおすすめのカフェに案内するよ!」

ナユタさんに手を引かれる

近くにいたギャル数人がこちらを見ながら話している

「あの3人レベル高くない!?」

「マジだヤバ!」

「芸能人かモデルじゃない!? しかも3人で手を繋いでるから絵になるわー」

こちらに全て聞こえてますよ

「なんか私達、注目されてない!?」

ナユタさんが気が付いたみたいだ

「私達2人だと姉妹としかみられないからそこまで注目されないからタルルちゃん効果?」

いやいやマナさん、多分3人で手を繋いでるからじゃないですかね

「だよね!やっぱりタルルちゃんがいるからか!」

「いえいえ、ナユタさんが可愛くマナさんが綺麗だからですよ、私は普通ですので」

「「タルルちゃん///」」

2人とも顔を真っ赤にする

「さあ、カフェはどこですか?楽しみだなー」

「こっちだよ!期待してて!」

ナユタさんに誘導されてお菓子の家みたいな見た目の店に着いた

「見て!可愛いでしょ!」

「お菓子の家かな?」

「正解!お菓子の家をモチーフにしてるんだって!」

「私も初めて見た時は驚いたわ」

「こんな店もあるんですね!」

「私達はここの常連なの!」

「そうなんですね!また一つナユタさんのことを知ることができて嬉しいです!」

「もう タルルちゃん!私の喜ぶことばっかり言いすぎ!」

顔を真っ赤にするナユタさん

「ほら2人ともイチャイチャしてないで店に入るわよ」

マナさんが俺たちを置いて先に店の前まで移動する

「待ってよマナ!」

マナさんを追いかけてナユタさんが走る

俺は早足で着いていく

店に入ると中は熊のぬいぐるみや着せ替え人形などが多く飾られていてた

メルヘンとはこういうのを言うんだろうな

「可愛い!」

「でしょでしょ!」

ナユタさんはそういってドヤ顔をする

こちらに店員さんが気が付いて近づいてくる

「いらっしゃいませ、ナユタちゃんとマナさん、今日も来てくれたの?」

「うん!今日はこの子に店を紹介しようと思って!」

ナユタさんが俺の肩に手を乗せる

「初めまして、タルルです こんな可愛い店に入ることができて嬉しいですこれからは私も通いたいです!」

「可愛い…」

お姉さんが俺の顔を見て呟く

「た、タルルちゃんね覚えたわ、月曜日が定休日でそれ以外は朝の10時から午後の3時まで営業してるからよろしくね」

黒髪ロングのお姉さんが顔を赤くしながら手を差し出してくる

俺はお姉さんと握手を交わす

お姉さんの胸元には名札が付いていて見ると店長と書かれていた

この人が店長!?

お姉さんの顔をガン見する

綺麗な人だな、プロポーションも良いし… そんなことを考えていると

「ちょっとお姉さん!私のタルルちゃんといつまで握手してるの!?離れて!」

ナユタさんによって手が離される

「あ、ごめんねナユタちゃん タルルちゃんが可愛くて見惚れてたのよ」

可愛くないよ!?

「お姉さんの見る目は流石だね、でもタルルちゃんは渡さないよ!」

俺の右腕に抱きついてくるナユタさん

やめて!俺の右腕がナユタさんの胸に挟まれている

顔を真っ赤にする俺

「ナユたん、タルルちゃんの顔が真っ赤だよ、右腕を離してあげて」

マナさんが助けてくれた

店に他のお客さんが居なくてよかった、居たら恥ずか死ぬところだった

「タルルちゃんごめんなさい!」

「いえいえ、問題ないですよ」

「他には誰も居ないから好きな席に座ってね」

「「「はーい」」」

3人して返事をして近くの席に座るのだった

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