Vライバーからスカウト編

第33話 支配人と対面

大学での講義を終えて雫姉と連絡を取り合い合流

雫姉の案内でとあるビルに到着した

「ここのビルの1階から3階までが

Vライバーの所有してる施設よ」

「広いしデカい」

「とりあえず中に入ろう」

雫姉の後ろについてビルの中へ

入ってすぐに受付があり雫姉が受付の人に話しかける

「こんにちは、支配人と面会予定の

立花です」

「立花様ですね はい 確認が取れましたのでこちらへどうぞ」

受付の人について長い通路を歩く

その際、受付の人と雫姉がコソコソなにかを話をしているようだった

「こちらです 支配人、お客様をお連れしました」

受付の人が大きな扉の前に立ち止まりノックをする

「はい、どうぞ入ってください」

中から女の人の声がする

やばい、緊張してきた

タルルの中の人が男だと知ったらどんな反応されるか…

「どうぞ」

受付の人が扉を開いて止まり、雫姉と俺は部屋の中へ入ると扉が閉められる

「「失礼します」」

大きな机の奥に女性が立っている

「よく来て下さいました どうぞこちらへお掛けになって」

女性に誘導されて雫姉と並んで椅子に座る

「まずは私から自己紹介をします 私は柴田薫子と申します Vライバーの支配人をしています よろしくお願いします」

丁寧な口調で挨拶をされる

「では先に私から、私はVtuberタルルのマネージャーの橘花雫です よろしくお願いします」

なぜか雫姉がマネージャーを名乗っている

次は俺だ、挨拶しないと…

でも本当に言っていいのだろうか、このまま隠していた方が…

「瑠夏?」

隣の雫姉が心配そうな顔で俺の名を呼ぶ

「あ、あの その…」

言葉が出せない、なぜなのか理由を考えるとすぐに分かった

そうか、タルルの正体をバラすのが怖いんだ

Vtuberを始めてから毎日が楽しかった今回のことでVtuber生命が危ぶまれていると心のどこかで思ってしまっているから声が出ないんだ

そんなことを考えていると雫姉が横から俺の手を握ってきた

「瑠夏、大丈夫だから」

そう言う雫姉は笑顔だった

そうだ、俺のVtuber生命はまだまだこれからなんだ、ここで立ち止まるわけにはいかない

「私はVtuberタルルを演じてる

橘花瑠夏と申します」

言った、言ってしまった

「随分と葛藤させちゃったみたいでごめんなさいね、シズちゃんもういいんじゃない?」

ん?

薫子さんの口調が急に変わった

「ごめん瑠夏!ドッキリでした!」

「は?どういうこと?」

「薫子さんには私がVtuber時代にお世話になってて、その縁でVライバーでサポーターとして雇ってもらえることになってね、タルルの事を相談してたんだ」

雇ってもらえる?

それVライバーで働くってこと?

「そうなの、Vtuberはソロだといつか限界が来ると思う 所属して貰えるなら色々と最大限バックアップするわ

タルルちゃんはここの設備を使える

私たちVライバーとしては注目されているタルルちゃんの加入でますます組織として盛り上がることができる

win-winじゃないかしら」

薫子さんに言う

「嬉しいんですけど、男の僕がここに通っていいんですか?」

「そこは私が何とかするわ」

「お姉ちゃんもバックアップするから安心して!」

良い配信をするためにVライバーに所属しよう

「立花ルルをVライバーに入れてください、これからよろしくお願いします」

薫子さんに頭を下げる

「ありがとう、よろしくね」

薫子さんがこちらに手を差し出す

俺はその手を握り握手をした

この日、立花ルルはVライバーに所属することが決まった

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