第10話 サーシャさんとカラオケ

サーシャさんと食事をしながらコラボ配信について話をしていた

「タルルちゃんは普段どんな歌歌うの?」

「タルルはアニソンしか歌えないよ!」

俺が答える前に雫姉が答えていた

「じゃあデュエットするなら男女の曲でタルルちゃんに男の人のパートやってもらおうかな」

「それで大丈夫ですよ」

「じゃあ曲はカラオケで決めよ!」

唐突な提案

「え!? そんな急に…」

「瑠夏、諦めなさい さーちゃんは一度決めたら引かないよ」

戸惑う俺の肩を雫姉が優しく叩く

「私は買い物を済ませるから2人でカラオケ行ってきなよ!」

「ちょ、雫姉!?」

「ありがと、シズちゃん! じゃあ食べ終わったらカラオケへGO!」

俺のカラオケ行きが決まってしまった

食事を済ませ会計をした際、雫姉が払おうとするとサーシャさんが横から黒いカードを店員に差し出した

ブラックカード!?

同い年ぐらいの人がそんな物持ってるなんて…

「さーちゃん、どうして?」

「いいのいいの、シズちゃん引退したんだからお金は現役の私に払わせてよ!」

戸惑う雫姉に笑顔で答えるサーシャさん

「もう、さーちゃんったら… ありがとう」

「うん!さあ、店を出よ!」

「サーシャさん、ありがとうございます、ご馳走様でした」

サーシャさんにお礼を言うと

「これはタルルちゃんへの先行投資だからね」

笑顔でそう答えてきた

「頑張ります…」

店を出て雫姉と一旦別れサーシャさんとカラオケ店へ

姉以外の人と出かける機会は今まで無かった

道中、俺の胸の鼓動がうるさかった

カラオケ店に着くとサーシャさんが希望の部屋を言い店員に案内される

「私の歌えるデュエット曲を全部入れてみるから分からないのあったらスキップしてね!分かるなら歌ってみよ」

「分かりました」

それから10曲連続で流れた

その全部を歌うことができた

「凄いね!まさか全部歌えるなんて」

「たまたまですよ、それでどの曲でいきます?」

「せっかくの初コラボだし、全部いっいゃう?」

「え?今の全曲ってことです?」

「そそ、どう?いける?」

普通の人ならきついだろうが俺なら…

「それでいきましょう! 日程の方は…」

日程を聞くとサーシャさんはこちらに右手を差し出してきた

「スマホ貸して」

「どうぞ」

サーシャさんにスマホを渡す

「はい、オッケー」

数秒で返された

「それが私の連絡先だから気軽に連絡してきて シズちゃんが待ってそうだから今回はここまでにしよっか」

「あ、はい ここの代金は俺が払うんで!」

「うん、ありがと♪」

なんかこの人と居ると色々振り回されそうだなと思うのだった

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