第9話 予想外の顔合わせ

サーシャさんとのコラボが決まった週の週末、俺は姉と共に地元の大型ショッピングモールに来ていた

姉が荷物持ちに付いて来てと頼んできたのでお供している

姉のウィンドウショッピングに付き合わされた後、小洒落たカフェに連れてこられた

ドアを開けるとウェイトレスの女性が立っていた

雫姉はウェイトレスの女性に

「予約している橘花です」

と名乗った

「橘花様ですね、お連れ様は既にご来店いただいています どうぞこちらです」

お連れ様?そんなの聞いてないぞ

ウェイトレスさんに続いて店の奥へ

「こちらがご予約いただいた部屋でございます」

大きめの部屋にすでに可愛らしい女性が座っていた

「さーちゃん!久しぶり!」

「シズちゃん!久しぶり!」

抱き合う2人、なにこれ

「瑠夏!この子がサーシャ本人!」

「はい?」

「君がタルルちゃんの中の人か!へーシズちゃん、磨けば光りそうだね」

俺の顔をジロジロと見てくる

「私の弟だからね!さーちゃんだったら交際を認めてあげる!」

「えー嬉しい!けどお互いの事もっと知ってから…ね?」

こっちに向けてウィンクをしてくる

可愛い人だな

「ほんとにサーシャさん?」

「うん、よろしくねタルルちゃん♪」

「そ、その呼び名はやめてください」

「えー、可愛いのに」

「ふーん、2人初対面なのに仲良いね」

俺とサーシャさんのやりとりを見て

雫姉が拗ねていた

「シズちゃんごめん!弟君話しやすくてつい…」

「サーシャさん、雫姉は貴方の反応を見て楽しんでるだけですよ」

本気で謝ってるサーシャさんに伝える

「ちょっと瑠夏!なんで言っちゃうのよ!」

「いや、だってサーシャさん本気で謝ってるし」

「シズちゃん?本当?」

「うう、はい怒ってません…」

「そっか、よかった」

サーシャさん微笑む

「聞いてた通り2人は仲良しさんだね!」

「そりゃあ、2人だけの家族だからね!」

雫姉が、抱きついてくる

「ちょ、人前でやめい! で、なぜサーシャさんがここに?」

雫姉を引き剥がし問う

「さーちゃんが瑠夏に会ってみたいって言ってたから呼んでみた!ね?」

「うん!タルルちゃんに興味津々でね!同じVtuberとして仲良くしてこ!」

サーシャさんが俺の両手を強く握ってくる

「よ、よろしくお願いします」

サーシャさんの目が見れない、挙動不審になる俺

「さーちゃん、瑠夏は異性に耐性ないから!」

「うふふ、可愛いね これから仲良くしたいから慣れてもらわないとね!」

サーシャさん、随分と積極的な人だな

この後どうなってしまうんだ…

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