第3話

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 僕は普通以下の人間だった。


 両親は物心つく前に離婚し、父親一人の手で育てられた。

 でも、父親の稼ぎはお世辞にも豊かとは言えず、毎日毎日貧乏暮らし。

 学校ではそれが原因でいじめられ、担任の教師からも見捨てられた。

 勉強も嫌いになり、それなりの大学にしか行けなかった。


 サラリーマンになっても地位なんて変わらない。

 俺は学歴も取柄も誇れるものも何もない凡人以下。

 唯一の癒しはソシャゲだけだった。だけど、それでよかった。

 人様に迷惑をかけずにただ黙々と働いて、ソシャゲのためにお金さえ稼げればそれで……。


 でも、僕が働いところはいわゆるブラック企業だった。

 無意味な早朝出社、とうてい実現できっこない営業ノルマ、おまけに上司や同期も本当にクズばっかりだった。

 それでも僕は必死に働いて、日をまたぐ残業が何日続いても、営業の成績が一番低くても頑張った。

 ストレスを解消するためにソシャゲに100万近くつぎ込んだりもした。


 でも、突きつけられたのは、会社の経営状況悪化が原因による解雇通告と、ずっと課金し続けたソシャゲのサービス終了のアナウンス……。


 僕は悟った。

 ああ、僕は生まれたときからガチャを外してたんだって。

 親ガチャ、友達ガチャ、教師ガチャ、仕事の上司や同期ガチャ……全部を外した!

 人生ガチャを外したんだ!


 だから全てを捨てて死のうとした。


 そんなところに現れたのが魔法少女様。

 彼女が僕を救ってくれたんだ。

 この腐った世界を壊して、新しい力を手に入れようって誘ってくれた。

 何も持っていなかった僕に対して。


 だから僕はここにいる。


 だから僕はお前らを倒すんだ。



 この世界を壊すんだ。



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