第6話
「おじさん、気持ちよかった?」
「おう気持ちいいよ。お嬢ちゃんの肩たたき。えと青柳さんだっけ? 君が大人だなんてしんじられないな。どうしてこんなに可愛らしい女の子になってるの? 最近の技術は進んでるんだね。孫が小さかったときのことを思い出したよ。ほれ、これは約束のお駄賃だ」
別現場にて。
「いや~、君たちのおかげで助かったよ! 急にバイトが来られなくなっちゃってさ。引っ越しの仕事は力がいるから、小さい女の子たちが来たときは本当にびっくりしたけど……。力持ちなんだね! でも中身は大人なんでしょ? すごいね! あっそうだ! これが今回の報酬です。また何かあったときはよろしく頼むよ!」
さらに別現場にて。
「本当にありがたいわ。急に仕事が入っちゃって子供たちをどうしようかと思ったけど、同じ年代の子が一緒に遊んでくれて、うちの子も喜んでたわ。でも中身は大人って本当なの? 可愛い女の子にしか見えないわ。これが今回の謝礼です。また何かあったときはお願いね」
銭湯の待合室にて。ここが俺たちの作戦指令室(たまり場)になりつつある。
「新斗。私はあんたのことを見くびってたわ。こんなにもぶっ飛んだ人だったなんて」
「あはははっ! そんな誉めるなって」
「いや、褒めてないし。むしろ卑しいとさえ思ってるわ」
「いいだろ! 人のためにもなってお金も稼げる! 最高にWIN WINなことじゃねぇか!」
「どうして新斗が幼女戦隊になれているのか、これはただの不思議に留まらずに平行世界規模の謎になりつつあるピ」
いまだに高笑いが止まらないが、説明しよう!
俺たちがYOJOパワーを鍛えるために始めたことは……
〈コンビニエンス・YOJO〉だ。
つまりは何でも屋だ。
世の中には困ってる人がたくさんいる。
そこで、ネットで助けが欲しい人を募集した。
幼女の手でも借りたい仕事。
幼女にしか頼めない仕事。
幼女の姿だからこそ頼める仕事。
字面だけ見ると少々いかがわしいと思われるかもしれないが、これは健全な〈お仕事〉だ。
この仕事の概要にも、『二十歳を越えた大人が幼女に変身してあなたを助けます』と明記している。
たまにデリバリーなヘルスと勘違いする輩もいたが、そんなときは正義の鉄槌をくだすだけ。
こうして、何でも屋として仕事を請け負い、人のためになることをする。幼女さを明確に求められる仕事もあるから、そういうときは幼女の心になりきる。
正義の心も幼女の心も育み、さらにはお金も稼げる!
まさにトリプルWIN!
まったく、幼女は最高だぜ‼
笑いが止まりませんな!
「ふははははっ! これが俺の正義だ‼‼‼‼ うははははっ!」
「正義のヒーローの笑い方じゃないピ」
「ほんと呆れた……」
「なんかすごい……ですね」
名前:武能新斗
年齢:22歳
職業:銭湯スタッフ(住み込み)
趣味:楽園観察
特技:幼女に変身
備考:「コンビニエンスYOJO」始めました! 何かお困りの方はぜひご依頼を!
おい! 悪魔たち!
いつでもかかってきやがれ!
そして、魔法少女!
いまだにお前の正体も強さも分からねぇけど、いつか絶対に倒してやるからな!
俺たちの正義の闘いは、まだまだこれからだ!
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