第36話 僕は真白を気持ちよくする

「「つ、疲れたぁ!!」」


僕と真白は同時に同じセリフを吐いて、僕のベッドに倒れ込んだ。今日は朝からずっと遊んでいたから、流石に疲れた。


横を見ると真白の横顔がある。以前は少し距離のある幼馴染だった真白…今はこんなに近くにいる。僕は幸せを嚙み締めた。


真白はずっと遠くから僕の事を想っていてくれた。これからは近くでずっと互いを見て想おう。


「ねえ、足が疲れちゃった、揉んでくれない?」


「ええっ!?」


いいの? いいものなの? 僕達恋人同士だけど、それ許容範囲? 僕、わかんないけど!


「悠馬! 何しているの? 早く私を気持ちよくさせてよぉ~♪」


「き、気持ちよくなの?」


「うん、足のふくらはぎがね♪ とってもこってるのぉ♪」


ごくり、真白の素足を見る。長めのスカートは少しめくれあがっていて、膝から下は見えちゃっている。


膝から下はセーフだな、よし! 僕は勝手に法律を改正した。


「じゃ、マッサージするからね? いくよ♪」


「んあっ~…い……いきなり激しいっ……♪」


「ごめん、ごめん。力入れ過ぎたんね♪」


「ううん、大丈夫よ。びっくりしただけで、同じ位で、もっと突いてきて♪」


「そう? じゃぁ♪」


「あ”~……っ♪ あ”ぁ”ぁ”~~~……っ♪」


「真白、ここが気持ちいいんだね?」


「んんっ……いいっ……すごく、いいよ……!」


いやエッチすぎない? 少しマッサージしているだけなのに、そんなエッチな声だしちゃダメ!


「ほら、真白。ここがいいんでしょ?」


僕は知っていた足のツボを押した。ここ、気持ちいいところなんだ。


「いい…♪ それいい~~~♪ いくぅぅ~、ああぁぁぁ~~~♪♪ な、なんで、私の弱いところを……!」


びくんびくん!  真白の体をぴくぴくさせる。


「もっとして欲しい?」


「い、いやぁ~~……♪ 駄目よ♪ そんなに激しくしたら、私……♪ 変になっちゃう♪」


「ほんとに? どう変になるのか僕知りたいな♪」


「ゆ、悠馬……早くぅ~~♪、早くしてぇ~~♪」


真白は甘えた声で「早くして~♪」って…もうそんな事を言われたらスルしかない♪。


「そこぉ……もっと強く突いてぇ~~……♪」


「足のふくらはぎの裏にも気持ちいいツボあるんだよ?」


「やぁ~ん……♪ 悠馬ぁ、もっとして~♪  後ろからぁ♪ お願いぃ~~♪」


僕は真白を後ろからガンガンと突きあげた。(ツボの事です、念のため)


『以上は僕と真白がこれっぽちもエッチな気持ちなんて感じず、ただマッサージしていただけの行為で、エロい事は何も……エロい事はエロいか、てへ♪ˉ̞̭ ( ・◡ु‹ ) ˄̻̊』


「いい…♪ それいいなぁ~~~♪ くぅぅ~、ああぁぁぁ~~~♪♪」


『バタン!!』


「お兄ちゃん! まだ高校生なのに、何をしているのぉ!! 駄目だよぉ!」


突然ドアを開け放ったのは、妹の琴里だった。


「……」


僕は真白のふくらはぎのツボを押しているだけで、真白の着衣は全く乱れはない。いや、少し乱れているかな、さっきから真白がイキっぱなしだったから…


「えっと? エロい事してた訳じゃないの? マジで?」


「足のツボをマッサージしてただけだよ。今日、疲れちゃっていて、それでね」


「ご、ごめん、琴里勘違いしてた。今日、お父さんもお母さんもいないから、真白ちゃんの貞操は私が守らなきゃって思って、それで、てっきり二人は若さに任せて…」


「「そ、そんな訳ないよ(わよ)」」


僕達は目線を琴里に合わせる事が出来ずに、二人同時に答えた。


危なかった。真白のどエロい反応に、僕も流石に火が付きかけていた。もし、琴里が来なかったら、僕達は一線を越えていたかもしれない。わかんないけど、真白次第だし…いや、真白は多分駄目だと思う…僕の事好きすぎて、もう赤ちゃん何人産むかを考えている位だから…


僕がしっかりしないと間違いを犯してしまう。高校生の僕らには未だ早い。ちゃんと責任が取れる年齢になれば…僕達は未だ高校生で、互いに親のおかげで生きている身だ。


「う~ん、怪しいなぁ? それに、そんなにお兄ちゃんが疲れているなら、琴里が胸でぎゅーとして癒してあげるから♪ ほらおいでょ~♪」


何を言い出す? 琴里?


妹の琴里が意味の分かんない事を言い出して、狼狽える僕、


「琴里も悩んだの…お兄ちゃんが琴里の事をあんな風に想っていたなんて…」


「何の事? 僕、良く意味が解らないんだけど?」


僕は突然、妹の琴里がなんか変になった理由がわからず、困惑した。


「…これよ」


それは『妹パラダイス』という、僕がつい出来心で買ってしまったアウトな仕様のギャルゲーだった。恋愛ゲームだけど、ヒロインが妹…なんで僕、あんなの買ってしまったのだろう。ていうか、バレてたの? 僕、このまま家に居れない…死んじゃいたい。


「つらかったよー♪ せつなかったよー♪ 昨日から凄い悩んだよー! ♪」


「えっと、琴里?」


「わかっているの…お兄ちゃんは妹の琴里ですらそういう対象に見てしまう変態だって事…でも、わ、私、気がついてしまったの! 私もお兄ちゃんの事、そういう対象として見れる変態だったて事にぃ!!」


『全国のリアル妹、リアル妹持ちの皆さん引かないでください。あくまでコメディです』


「大丈夫よぉ! どうせ結婚できないから、真白さんと同時に付き合っても犯罪にならないからぁ♪」


「えいっ♡」


チョップを入れたのは僕じゃなくて、真白だった。


「琴里ちゃん、駄目よ。琴里ちゃんは未だ15才だから早すぎるわ♪」


いや、それ以前に兄妹だから、駄目だよね? 多分、ちゃんと血は繋がっていると思う。


「…で、でも、琴里、お兄ちゃんの事好きだし」


「琴里、僕の事好きでいてくれてありがとう。でも、僕、琴里の事を妹としてしか見れないから、だから…」


「「じゃ、何でこんなゲーム買ったのぉ?」」


僕は真白と琴里の二人から同時に突っ込まれて必死に1時間かけて釈明した。

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