360 隠れた膨大な意味
こんにちは。
わぁ……360ですって。とうとう来るところまで来てしまったなという感じがひしひしと。今年もあと5日ですか。今年を始めたのはついこの間に感じるのに。
今日、SNSで外国の方が「適当」という言葉の不思議というか理不尽について呟かれていたのを見て。私も日ごろから「適当」と「いい加減」という言葉はなんて難しい言葉なんだろうと思っているのです。使う時にすごく気を付けてしまう。まぁ一応小説書いたりしていた時に引っかかって書くのを渋る言葉だったのです。
「適当に味付けして」といわれてテキトーに調味したら、相手は「丁度いい量・いい塩梅」という意味で使っているので怒られる、という話だったのだけど、本当にその通りで。「正しい意味の“適当”でお願いします」みたいな、ややこしい言い回しをしないと「状況の応じた、多すぎず少なすぎる事も無い状態」を指していると伝われにくい。
もう書いてしまっているけれど、日本人の中には「適当」と「テキトー」が自然に存在していて、それを空気を読んだり忖度によって感じ分けている気がする。いや、でも最近は「テキトー」の“どうでもいい事”の意味でしか使われていないのかもしれないなぁ。本当の「適当」は一番難しい事なのだけど。
「適当にやっておいて」と言うのは、「ちゃんとやって欲しいけれど、もし羽目を外したいならバレない様に、あまつさえバレてしまったとしても責任が取れる範疇でやり過ぎないように、色んな諸々を弁えて行動しなさい」とか「丁寧にやるのは当然だけれど、手を抜いたとしても最低の品質は落とさず、かといって丁寧にやり過ぎて時間をかけてはいけない」という膨大な意味が含まれている。言った方の責任を押し付けている言葉であり、突き放された言葉でもある。
「いい加減」も難しい。「“丁度”いい加減」と言うと、わかりやすいけれど「いい加減」だけだと“投げやりな様”という感じが強くなってしまう。この言葉も私の中では使う時に気を使ってしまう言葉です。同じように「他力本願」とか「確信犯」も本当の意味と、本当の意味を知らない人たちが使っている意味と違うので使用を躊躇ってしまう。そう言えばテレビで、これが大正解です!と言う感じで「エモい」をエモーショナルと紹介してたし。本当は「えも言われない」なのに。
しかし、言葉は使う人たちが命を与えるものだから、今を生きている人たちが言葉の意味というか、見えない形を作っていくから仕方がないんだろう。特に日本語の変化のスピードは他の言語よりは早いらしいし。
仲間意識を作る事が得意というか……仲間内の結束を強固にする事で居場所を作りたがる民族だから仕方がないんだろう。昔から個人主義の国ではないし。同じ言葉の使い方をするだけで、仲間意識は強くなる。世代やグループで、どうしても専門用語のように新しい言葉の使い方が沸いて出て来る。
そういえば、すこし話は変るのですがテレビを見ていて、最近“とても”の意味で使われる関西弁「めっちゃ」の発音が変わったのです。前までは「めっ(↑)ちゃ(↓)」という感じで「めっ」にアクセントを置いて使われていたのに、最近は関西と同じ「めっ(→)ちゃ(→)」というイントネーションで使われている。しかも、CМなんかでも関西出身では無い女優さんが普通に使っている。これも全国的に馴染んだからでしょうか。
今年の流行語のノミネートに「しらんけど」が挙がっていましたが……あれも、絶妙に難しい言葉で。あれは、ただ責任を回避している言葉では無いんですよねぇ。どこで流行り出しかは知らないですが……流行語のノミネートの殆どが馴染なかったし……ともかく火をつけたのは何かは知らないですが、そのうちこの言葉も膨大な意味も「適当」と同じように認知されて使われる時代がやって来るのかもしれないですね。
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