174 梅雨

 こんにちは。


 暑い!とにかく暑い!急に夏本番の気温と湿度。

 体がついて行かず、頭痛がする……。水分もちゃんと摂っているんですけどね。首も冷やしているのに。昨日までは、昼間は暑くても夜になれば外の風が涼しくてリセットされていたのだけど、今晩は様子が違う。夜になっても冷めない。昼頃まではちょっと曇っていたけれど、昼過ぎからは青空で。あれ?今年の梅雨はすっごい大雨が降り続くんじゃなかったっけ?これからですか?……週間予報がずっと晴れマークですが……

 ちゃんと降るべき時に適量降ってくれないと、また農作物が高くなってしまう。畜産の方もクーラーかけたり大変。頑張れ低気圧!


 保育園に行っていた頃、梅雨の季節は憂鬱で仕方が無かったなぁ。肌寒い上に、靴下が濡れるのです。園には、猫の額ほどの運動場があったのですが、そこを通って昇降口の下駄箱へ。そこにたどり着くまでが、まず大海原。大きな水たまりだらけで、長靴を履いている日は良いのだけど、履いていない日もあって。水たまりと水たまりの間の小さな陸地を選んで、あみだくじの様に昇降口へ向かっている間に靴の中はずぶ濡れ。小さい頃なので傘も上手にさせず、足下ばかりに集中しているから、手が疎かになって、上半身も何だか濡れている。


 でも私が一番嫌いだったのは、これでは無いのです。

 私が通っていた保育園の建物の廊下部分は屋外になっていて、廊下の上は屋根と言うか、ヒサシというか。一階部分は二階の廊下部分が屋根になっていて。とにかく部屋以外は階段も廊下も外気温。そして湿度も外のまま。なのに廊下が絨毯で……。足を乗せると、しっとりと靴下が湿るのです。雨が続いたりすると湿るどころか、じゅわぁ……と濡れる。そもそも靴下という物が嫌いで。子供って靴下嫌いですよね。今は好きなんだけど、その頃は違和感があって嫌いでした。

 梅雨の時期は、違和感が濡れることで強調される上に不快感が増す!そして冷たいのが続く!どこに行っても逃げ場が無いのです。だって、まずそこを通らないと教室へは行けないし、お手洗いに行くのも廊下を通らないといけないし不可避です。

 

 あの頃、他の子は平気にしていた気がするのだけど……私だけだったのかなぁ?嫌だったの。

 自分でも浮いている子だというのは認識していて、昼寝をさせられることも嫌いだったし、体操やお遊戯をさせられるのも、楽器演奏をさせられるのも嫌いだった。何でみんなは先生がお昼寝しようと言ったらお昼寝をして、体操をしようと言ったら嬉しそうに体操をしてって出来るんだろう?やりたくない時もあるでしょ?と思っていた。

 プールや土遊び、粘土遊び、絵を描いたり工作したり、歌ったりするのは好きだったなぁ。それは違和感が無かったのだけど。

 といっても仕方ないから、楽器を演奏しているふり、昼寝をしているふりをしてやり過ごせばいいか、と思っている捻くれた子供でしたが。

 そんな子供でも、廊下に出るたびに靴下が湿気るのだけは我慢がならなかったんです。


 梅雨は陰気で憂鬱で気がめいって……雨の降り方もシトシト降ると、何となくその時に感じていたなぁと思うのです。

 先生が園内に飾ってくれる紫陽花やカエルやカタツムリの飾りは好きだったんですけどね。

 今思えば、あれは梅雨の風情なんですよね……嫌なことだとしても。今はそんなシトシトを感じる梅雨がほとんどなくて。ザンザン、ザァーザァー、ドカ降りにゲリラ豪雨。降れば災害級になりかねないのだから……靴下が濡れるくらいでブーブー言っていたのが平和で。今の子供たちはシトシト降る雨の感じって分かるんでしょうか。


 明日はクーラーの掃除をしよう……



 

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