173 個性

 こんにちは。


 いやー、とにかく現在あの落語のお話にご執心で。繰り返し見るほど、設定が練られていて、それぞれにごうや贖罪があり、それが円環ではなく螺旋で登っていく。繰り返すけれど、繰り返しでは無い。そして芸や呼び名や言葉が正しい方向で正しい人に受け継がれる。芸も血縁で混ざって……これは演じた方がすごいのだけれど。

 あと蛇足かもしれないけれど、原作者さんがBL出身の方だという事を思考の端に置いてしまうと、全くそんな要素は作中には無いのだけど、大きな意味でBLになっていて、普通のBLではどうあがいても性別の問題上どうしても作れない子供を作ったのだなぁと思ったり。

 見ていない人には全くないを言っているのか、訳が分からないし詰まらない話でしょうが、きっかけに見ていただければ嬉しいです。


 これだけご執心なので、リアルタイムを生きていなかった私はリアルタイムの世の中の事が知りたくて、昨晩色々と検索をしていました。

 当時、落語家さん達はどのような反応をしていたとか、そういう情報がネットには残っていて、片っ端から読んでいたのです。で、有名落語家さんがSNSでそ、八代目の役者さんを褒めてしらっしゃる記事が出て来ました。アニメの動きに合わせた上で(自分のテンポでは出来ないという事)自分では無く「役」で落語をしないといけない事や、リアルにし過ぎるとアニメの絵に合わないところを丁度いい声を選んでいる所、まぁ褒めている所ばかりで上げ切れないのですが、私が落語以外でもそうなの!と共感したのが「個」を抑えるという点でした。


 個性を出してキャラを立てたいと、口調や動きを誇張して作って売れようとするけれど、それは芸の邪魔をしているだけ。個性とは意識しなくてもにじみ出て来るものが個性であるという話でした。

 一番は大切なのは、披露する芸が一番いい状態でお客さんに伝わる事を優先しないといけない。個性を出している場合ではないのです。現に作中の落語家さんはみんな個性的です。キャラクターとしてもそうなんだけど、役者さんとして「おなじみの個性」がにじみ出ている。皆さん落語家として売れたいとかフックを残したいという意識はないと思うのだけど。ただ忠実に役として落語をしないといけない。それが素直に作品を演じるという事になり、作品そのものを伝えるという行為になり、テンポもよく聞きとりやすく、意味が分かりやすくなっている。そして自然に個性が乗る。

 

 こんな私も昔は歌のレコーディングをした事がありまして。この話、もしかしたらどこかで書いた気もするけれど、このエッセイだったのか忘れたので書いてしまいますが……

 今のレコーディングの主流はデジタルで音を録ってしまうので、後で音程なんか一音ずつ直すことができます。私ももちろん数々直して頂きましたが、その直されたところって未熟だった私が偉そうに個性を乗せたいと思っていた所ばかりで。

 今思えば、聞いている人に引っかかる「何か」を入れたかったんでしょうね。フックが欲しいというか、傷跡を残したいというか、記憶に残りたいというか。それが結果的に「絶妙に音を外す」とか「絶妙に感じているリズムが違う」という結果になったのだと思います。

 うたうたいは、とにかく「素直に上手に歌う」という事をしてなんぼなんです。そこがスタート地点。「何にも作為を入れなくても勝手に個性が乗る」という事を誰も教えてくれなかった。というかボイストレーニングの先生も正しく歌う事は一生懸命に教えてくださっていたけれど、私が小賢しすぎて、わざとやっているとは思っていなかったのでしょう。

 ほんとね、昔に戻れるなら、上手に歌うコツを教えに行ってやりたいです。

 

 落語もそういう事なんでしょうね。きっと絵だってそうなんだと思う。絵画はちょっと違うかもしれないけれど、アニメで作画監督さんが変わると、あの人の絵だ!ってわかりますもんねぇ。現在は昔より個性が埋没している……というよりも、きっとそういう社会的に風潮なのでしょうが、個性を殺して設定どおりに描いていたって分かってしまう。

 大好きなアニメーターさんがいるのだけど、その方を知るずっと前に猫型ロボットのアニメの作監をされていて、私はその頃街やCМで見かける猫型ロボットの絵柄が、なんだか可愛くなっていて魅力的だなぁ~と思っていたのです。でも何が変わったか分からない。昔ながらのクラシカルな(?)猫型ロボットの絵なんですよ? その後、聖人二人が東京で同居するお話の絵もかわいいなぁ~と好みだなぁ~と思っていて。そして六つ子でファンになって、どれもこれも同じ方だったのか!と。

 私は絵を描かないから、何がどのように描かれていてその個性を感じ取っているのか説明が出来ないのだけど、今年かな?リメイクされる「だっちゃ」が語尾のアニメの絵もタイムラインに流れて来てかわいい!と思ったら、その方でした。ほんと説明のしようがないのだけれど。

 

 何でも芸事は素直に正直に忠実にするものですね。その方が作為の無い個性が出てくるのだから。

 私も心を入れ替えたのちに歌った音源を確認すると、意識していなところに「私節」みたいなものがあるんだなぁ、と思ったものです。それまで気が付かなかった。

 

 

 話は変りますが、私が最近見ているお話(アニメもドラマも)や激ハマりするお話って和装(古代中国の事もありますが)の事が多くて。最近、物語を見終わった後、洋服を着ている自分に違和感を感じるんですよね……あれ?なんで洋服なんだろう?って。なんか着物を着ている気になっていて、鏡がふと目に入ると「あ、着物じゃない」となる。この感覚、伝えようがないのだけど。

 単衣も暑いから、浴衣でも着て過ごせばいいようなものなんですけどねぇ。床に座ってミシンを使っているので着物だと不便で。

 だれか作業部屋と大きな作業台とプリンターをくれないかなぁ。そうしたら着物で作業するのにな。あと、落語アニメの一期二期の特別版のディスクをください←


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