155 みがき、とは

 こんにちは。


「みがきニシン」の「みがき」の漢字、知ってますか?私は今日のまで間違った認識でした。「みがきニシン」の「みがき」は「身欠き」と書くそうです。

 そう言われたらソレです。確かにそうだ。身欠きニシンって、ニシンの干物の事ですよね。「ニシンの干物」と言わずわざわざ特別な呼び名を付ける。そりゃ、ニシンは大量に獲れて利用方法も様々で、油を取った後のカスですら使ったのですから、特別な存在だったのでしょうが……そう言う意味で、ニシンに敬意があって「手を加えたニシン」という意味で「磨きニシン」だと思っていたのです。

 実際は足が速く腐りやすいから、内臓だけではなく頭も落としているから身欠きなのか?と思いながら検索をしたら、干物の肉が欠きやすくなるからだそうで……。あぁそっちなの?斜め行くなぁと。そーかぁーと。耳で聞くだけでは分からないものですね……。その上小賢しく推理してしまうものだから、余計に悪化。

 私は身欠きニシンを料理したことなかったもんなぁ。パッケージとかバーコードのシールとか見たら漢字で書いてあったのだろうか。興味が無かったから視界に入っても目に留まらなかったのかなぁ。ひらがな表記だった気がするんだよなぁ、今まで見て来た身欠きニシン。

 そもそもニシンが大量に獲れなくなってから生まれた世代なので、ニシンとは年末年始くらいにか関わりが無いのです。しかも「にしんそば」「数の子」として食卓に上がる。にしんそばは、もう身欠きニシンではなくニシンの甘露煮だからなぁ。数の子は言わずもがな。接点が少なくて知る機会が無かったんだなぁ……


 同じような現象で「衣擦れ」があると思う。絹擦れではないか、と。これはもともと知っていたのだけれど、着付けを習いに行っていた時に講習で、織る前の絹糸の束を絞るようにして本当の絹が擦れる音を聞かせてもらった。昔は着ている物をさして「きぬ」と言ったから当てた漢字は「衣」だけれど、宮中で着られていたのはものは絹の衣であり、これが本当の衣擦れの音ですよ、と。

 本当はそこまで「きゅっきゅっ」とは言わないんだろうけれど、当てた漢字が着ている物をさしているだけで正絹の布がこすれ合う音、なんでしょうね。布に張りがあって、いい擦れる音が出そうですもんね。


 作家が編集者側に軟禁されて執筆させられる「カンヅメ」も漢字にすると「館詰め」ですもんね。旅館などに押し込められて執筆したから旅館の館だし。

 でも詰め込まれるイメージから缶詰めっぽくも感じてしまいますよね。


 なかなか言葉の雰囲気と実際の漢字で惑わされる言葉があるよなぁ~と、そんな事をテレビを見ながらぼんやりと考えていました。



 それにしても、身欠きニシン。一度料理してみたいなぁ。米のとぎ汁で戻して料理……とか祖母がやっていた気がする。こういう家庭料理も文化ですからね。

 あと最近、味噌も作りたくて。絶対買った方が安いんですよ。今年の冬はやってみようかなぁ。ひと夏超えたら食べる分と、寝かせる分の二つに分けて。減塩にするのは難しいだろうなぁ……

 冬までまだ時間があるので色々調べてみよう。

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